そんなことより僕と踊りませんか?

例えば良い物語があってそれを伝える相手がいる。それだけで人生は捨てたもんじゃない(by『海の上のピアニスト』)

【午前十時の映画祭】レイジング・ブル(町山智浩解説付き)。

町山氏の映画評論付き第2弾(『映画秘宝』ファンとしては嬉しい限り)。いやぁ、この解説付きはお得感マシマシ状態で元を取ったな。

 

というか町山さん、前回(『ファーゴ』解説)のほうがテンション高かったなぁ。『レイジング・ブル』(1980年)では「同じボクシングが題材の『ロッキー』とは真逆な作品だが元ネタはどちらも『波止場』(1954年)なので兄弟作品みたいだ」みたいなこと言ってたな。スコセッシは運動嫌いだというのがわかった。

 

マーティン・スコセッシボクシング映画との間にはジンクスが存在する。カンヌ国際映画祭で作品賞に相当するパルム・ドールを受賞した『タクシードライバー』は、第49回アカデミー賞作品賞最有力候補であった。しかし、1976年の年末に公開された『ロッキー』に賞を譲ってしまった。4年後の本作品では2部門で受賞を果たすも作品賞は受賞できなかった。さらに約四半世紀後の2004年には、同年度のゴールデングローブ賞作品賞を受賞した『アビエイター』で初のオスカーを狙ったが、またしても『ミリオンダラー・ベイビー』に作品賞と監督賞のダブル受賞を許してしまった。[要出典]

レイジング・ブル - Wikipedia

 

町山さんの解説によるとスコセッシはいじめられっ子だったそうでデ・ニーロから「これ、やりたい」と原作(ジェイク・ラモッタの自伝)を持ち込まれたとき却下したそうで。過去の自分がフラッシュバックしたんだな。

 

で、結局『レイジング・ブル』を撮ってしまうきっかけになったのは『ニューヨーク・ニューヨーク』(1977年)が大コケしてしまったから。それが原因で入院する羽目になったスコセッシは看護師に当たり散らしたとか(それで「これ、イケルやん・・」と思ったんでしょうかねぇ)。

 

スコセッシ作品は名作多いけど登場キャラの大半が「クセツヨで友達にはなりたくない」タイプなんだよなぁ。今回のジェイク・ラモッタもそう。嫉妬心・猜疑心のオンパレードでイライラする。弟のジョーイが絶縁するのも当然かと。少しは空気読めよ。

 

まぁ、ともかく。オペラをバックにシャドウ・ボクシングをするデ・ニーロのオープニングがカッコイイ!美しい!これだけでお得な気分になれますよ。しらんけど。

 

ジェイク引退後からのデ・ニーロが真骨頂という感じで。小デブ、大デブになるデ・ニーロが凄いね。こういうの「役者バカ」っていうんだろうな。さすが職人さんw。『アンタッチャブル』では髪の毛ぬいたそうだし。

 

 

これを見てわかったのは

  • スコセッシ作品は何度も繰り返して見たいとは到底思えない
  • ジェイク・ラモッタは「覆水盆に返らず」を地でいったな
  • アメリカンジョークは面白くない

ということかな(異論は大いに認める)。