そんなことより僕と踊りませんか?

例えば良い物語があってそれを伝える相手がいる。それだけで人生は捨てたもんじゃない(by『海の上のピアニスト』)

タイトルからしてツボな映画『ドロステのはてで僕ら』。

最初は「なんじゃこのタイトル?」と思ってたのですが。なんだかジワジワ来る。

 

ドロステ効果(ドロステこうか、オランダ語)とは、再帰的な画像(紋章学における紋中紋)のもたらす効果のこと。あるイメージの中にそれ自身の小さなイメージが、その小さなイメージの中にはさらに小さなイメージが、その中にもさらに……と画像の解像度が許す限り果てしなく描かれる。ドロステ効果は、自己言及システムの不思議の環の視覚的例である。

ドロステ効果 - Wikipedia

 ま、簡単に言うなら「合わせ鏡」ですかね。交互に合わせただけなのに遥か彼方まで奥行きがあるように見えますよね。視覚効果ということか。星新一ショートショートに夜中に合わせ鏡の中から悪魔が出てきたという話しあったな(ま、それはどうでもいいかw)。

 

でも自分が一番気に入ってるのは果てしないドロステ効果よりも「僕ら」で止めちゃってるところ。普通、僕ら「は」僕ら「が」など助詞を使わないかぁ?なんかそういうの良い意味で引っかかっちゃうんだよなぁw。

 

coco.to

久しぶりに新作が満足度100パー。ツッコミどころ有るけどアナ雪みたいに見事に突っ走りました(天晴!)。カメ止めに微妙に似てるかな。でもカメ止めは第一部のエンドロールで江戸っ子女子が帰ったけれど(たぶん、「くだらねぇな」と思ったんだろうな。これからが本番なのに・・)ドロステは早くから伏線回収してます。

 

カメ止めと違うのはドロステのほうはロケットスタート。「ええっ!」なトンデモから話が意外なところまで飛んじゃうので「ちょww着地点はどうなのよw」と思ってたが見事な二回転半ひねり。ああ、そうきたか。あんまり移動しないので「舞台劇ぽいよな」と思ってたら劇団員でしたか。

 

結構演出が見事なんだけど難しいのでは?出演者もタイミング難しそう。スゲーわ。「ヨーロッパ企画」という京都でも人気のある劇団のオリジナル長編映画だそうです。

 

なんだ劇団員による自主映画かとナメてもらっちゃこまる。ハマーン様も「このキュベレイ、なめてもらっては困る!」というセリフ言うじゃないですか(なんのこっちゃ)。

 

ジワジワ来るパワーが凄い。カメ止めと微妙に違うのはネタバレ云々よりもわけわかんなさすぎて頭が整理しづらいということ(ヒトコト、フタコトで説明が非常に難しいのだよ)。

 

「とにかく見ろ。話はそれからだ」それ以上なんも言えない。こじんまりしているけど(そんなに移動しないし)それ故に頭がこんがらがるような面白さ。

 

劇中でも説明できずに「とにかく下の階に来てください」言うセリフあるもんなぁ。ノーラン作品『インセプション』みたいな会話よりも展開で頭が付いていくという感覚でした(Don't think feel ね)。

 

ゆっくり始まるんだけど展開が読めなくて(最初、2分後の自分に知らせるループかな?と思った)いろんな人巻き込んじゃうわ会話も面白いわで70分が全然苦になりませんでした。これ以上引き延ばしたらアレかなというギリギリの線でしたな。

 

東京では「ハリウッド下北沢」「TOHOシネマズ日比谷」だけだったけどこんだけ口コミ評判いいと拡大ロードショー的な展開になるんじゃないかな。カメ止めみたいに大きな箱(劇場)でやる日も近いかもよ。

 

 

ダイオウグソクムシにはヤラレタ!