そんなことより僕と踊りませんか?

例えば良い物語があってそれを伝える相手がいる。それだけで人生は捨てたもんじゃない(by『海の上のピアニスト』)

【午前十時の映画祭】ミツバチのささやき(町山智浩解説付き)。

なんどめだまちやま(ちなみに元ネタはドラマ『TRICK』の「なんどめだナウシカ」です)。

 

映画秘宝』ファンとしては町山さん推しでしょう。しらないけど。ごぜじゅう企画は町山さんを映画選出メンバーに加えてから割と新し目の映画も上映するようになったんで嬉しい限り(最初の頃は人間ドラマ系の作品が圧倒的に多かったな)。

 

今回のごぜじゅう企画から町山さんの解説付きが多くなり。これは「プライスレス」やぁ。町山さんはラジオ等でも解説しているから話がうまい。彼はカルチャーとか時代背景とか語るのが凄い好きなんだと見た(すごく楽しそうだもの)。

 

というか。町山さん、淀川長治さんの立ち位置狙ってるの?そう思えて仕方がないw。

 

★★

 

ま、それはそれとして。『ミツバチのささやき』(1973年)ですが。町山さんの解説あって良かったよ。普通に見ればちょっと辛辣な寓話だもの。アナ(アナ・トレント)ちゃん可愛い。自然な演技。嗚呼、床の間に飾っておきたい。

 

当時アナちゃんは5歳だったので俳優さんと役名がごっちゃにならないように全員俳優名にしたそうで。町山さんの解説(前編)のとおり、「あれれぇ?ちょっとおかしいぞう(byコナン君)」みたいな部分もあったのね。

 

『ミツバチのささやき』 考察とネタバレ!あらすじ・評価・感想・解説・レビュー | シネフィリー

本作の公開当時は、フランコ総統による独裁政権も厳しさを失っていたとはいえ、検閲を通過するために、直接的な政権批判は象徴化によって巧みに避けられていた。

観る者が観れば、あちこちにスペインの政権批判が感じ取れる。だが、そんな歴史的背景には(私のように)気づかずとも、この映画の魅力は十分に堪能できる。

ダブルミーニングだったかぁ。検閲を逃れるために「子供向け映画」として提出したとか(そういうの多かったそうです)。なんであの姉妹は映画の最中は良いとしていつもひそひそ話なのかお父ちゃんは養蜂家なのにインテリそうだし(決して養蜂を馬鹿にしてるのではなくてよ)。あの老人の絵は何だったのか?

 

謎は全て解けた(by金田一少年)。

 

町山さんは「表向きは子供向け映画として全世界で感動されたけどスペイン人から見ると違う意味で感動を呼ぶ」と言ってましたが。なるほろ。母国人にしかわからない意味も含んでたのね。

午前十時の映画祭でこないだ見た『無法松の一生』(1943年)も「なんで大事な部分を検閲でカットさせるんだ。アメ公許すまじ」と思ったけど日本だけじゃなかったのね。

 

けんえつだめ、ぜったい。独裁政治だめ、ぜったい。

 

町山解説では主な登場人物はアナちゃんファミリーですが

  • お父さん:昔はレジスタンス(又は反フランコ)。
  • お母さん:フランコ政権以前を懐かしむ国民。
  • イサベル:フランコ政権に慣れ親しんでる時代の国民。
  • アナ:新しい時代の国民。

ということを表しているようです。だから当時のスペイン人からすると「わかるわぁ(涙)」なんだそうです。違う意味で感動させるとは監督すごい。

 

 

お父さんの懐中時計が良い感じの小道具になってたな。ちなみにフランコ氏が亡くなったのは1975年なので彼の死後に監督が「あの作品はこういう意味だったんだよぉ」とネタバレしたそうです。常にビクビクしている人生って辛いものがあるよな。