最近のごぜじゅう企画は町山さんの露出度が高い。解説付きなんで非常にありがたいが「町山さんは淀川長治、水野晴郎の立ち位置を狙っているのでは?」とゲスの勘繰りをしてしまう。今や民放は金ローしか残ってないから難しいぞ。
ま、そんなことはどーでもいいですね。町山さんの解説を見て「へー。そんな時代背景が」とわかったけどそういう問題を語るのが非常に好きなんじゃないのかなぁ。
★★
まず、今作で押さえておかなければならないポイントは、今作は1960年代後半、アメリカにおけるカウンターカルチャーをテーマに描いた作品だということです。
当時、社会や親世代に対し、反抗心を抱く若者が多数現れました。
カウンター(counter)の意味は反対、反撃、反抗。カルチャー(colture)は文化なので反骨精神ゴリゴリの文化ですな。
この作品には「ヒッピー」と呼ばれる人たちが登場しますが昔ヒッピーだった人からも「それ、違う!」と不評だったとか。映画見たけど単に我儘な青年たちだなぁ~という感想しかなかったもの。保守派にも叩かれ元ヒッピーにも飽きられるのもなんだかなぁ。いろんな意味で凄いぞ。みろす・ふぉあまん。
ウィキ見たら製作費が1100万ドルで興行成績が1500万ドルだそうで。割と奮闘していたみたいだけどスマッシュヒットとはいえないなぁ。
「HAIR」は、元々、1968年に作られた同名のミュージカルを基にした映画です。
ミュージカルを観た直後に、ミロシュ・フォアマン監督は映画化を検討したそうですが、資金的な面に加えて、ある事由から断念せざるをえませんでした。
その自由が、上記のinterracialを筆頭としたカウンターカルチャーと繋がります。
1968年のミュージカルが好評でブロードウェイにまで登り詰めるのですが内容がアレなんで保守派からそうとうクレーム来たそうな。映画版は舞台と設定が微妙に違いバーガーがクロードと間違えられ戦地に送られる皮肉は映画のみ。流石みろす。
反戦ミュージカルなんだけどヴェトナム戦争が終結したのが1975年だからねぇ(映画版は1979年)。本当に「早すぎて遅すぎた」映画ですね。ノスタルジーとしてやるには記憶に新しすぎるし・・
★
とりあえずミロス・フォアマン監督は気骨溢れるテーマが好きなんだなとわかった。『アマデウス』では「モーツァルト像を歪めてる!」なんて批判されたことあったようで(アレは伝記映画じゃないでしょ)。