こういうの嫌いじゃないよ。
『THE BATMAN-ザ・バットマン-』レビュー:凶暴にして美しい、長い歴史を持つヒーローの名に恥じぬ作品
バットマンはノーラン版からダーク路線になりましたな。どのみちマーヴェルには適わないのだから人間味あふれるヒーロー物にしたほうが味が出て良いのでは?『アベンジャーズ』みたいなことやっても「どうせ二番煎じ」と思われちゃうでしょ。
今作の『ザ・バットマン』は大変良い意味で狂ってました。
「映画はハッピーエンドでなくっちゃ」という脳内お花畑な人にはキツイかと(というかそんな人はマーヴェルのほうに行っちゃうだろうし)。
『THE BATMAN-ザ・バットマン-』は単独で成立している作品だが、さまざまな映画からの要素が含まれてもいる。この作品が思い起こさせたのは、『ゾディアック』(2007年)、『セブン』(1995年)、『チャイナタウン』(1974年)、さらに『ソウ』(2004年)! 逆に、あまり頭に浮かんでこなかったものもある。それは、これまでの実写映画版の「バットマン」だ。この作品の冷徹なまでのリアリズムに一番近いのはクリストファー・ノーランの三部作だが、“ダークナイト”の映像化としては、今作のほうがさらに新しく強烈なものになっている。
『セブン』は雨のシーンばかりだが犯人解明したラストだけがピーカンになるというコントラスト!『ザ・バットマン』は終始雨(又はどんよりした天気)。「え?ゴッサムシティってロンドンなの?」つーくらいな雨雨雨。
歴代バットマンの中でもトップクラスの暗さ。今回のブルース・ウェイン(ロバート・パティンソン)はとにかく病んでいる。暴漢を「ストレス解消なの?」つーくらいタコ殴りにして助けてもらった人でさえ恐ろしくて逃げる有様。うん、これはひどい。
只でさえ病んでいるのに「こんなに悪と戦ってるのに誰からも疎まれる存在じゃねーか。未だにゴッサムシティ腐ってるし」と常にイライラしとります。カルシウム足りてなさそう。不満マシマシ状態。おこりんぼバットマン見たことない。
そんな暗いバットマン。コレはコレで有りかな。最近はようつべで映画評してるのをよくチェックしますが。概ね高評価。オタキングな岡田斗司夫さんはべた褒め(つか常にジョーカーのフィギュア飾ってあるほどのファンだしな)。
斗司夫によると『ザ・バットマン』は初期のテレビシリーズをベースにした探偵モノだそうです。歴代のバットマンを調べると・・
映画「バットマン」実写シリーズ一覧!歴代“バットマン”の中でお気に入りはどの作品? | FILMAGA(フィルマガ)
- バットマン オリジナルムービー(1966年)
- バットマン(1989)
- バットマン リターンズ(1992)
- バットマン フォーエヴァー(1995)
- バットマン&ロビン/Mr.フリーズの逆襲(1997)
- バットマン ビギンズ(2005)
- ダークナイト(2008)
- ダークナイト ライジング(2012)
- バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生(2016)
- ジャスティスリーグ(2017)
- THE BATMAN-ザ・バットマン-(2022)
けっこうありますね。ちなみに1.はテレビシリーズの劇場版みたいです。やはり自分が知っているのは2、3のバートン版から(一番好き)。ヒーローが暗いのなんのって。対して敵キャラが明るいのにはびっくりしたなぁw。
4、5のジョエル・シュマッカー版が興行的にも失敗したのが岡田斗司夫は違う原作をベースにしたからファンが付いていかなくなったんだろうと言ってたな(同じ原作でもいろんな種類あるからね)。
そして6~8の『ダークナイト三部作』とも呼ばれるノーラン版。みごとにV字回復しました。ノーラン版では『ダークナイト』が大好き。初代ジョーカーのニコちゃんはヒースに「ジョーカーに魂を奪われるな」忠告したほど(それほど凄いキャラだったんですね。ヒース魂奪われちゃったし)。
それからなんやかやあって。リブート繰り返しながらも息が長いなぁ(マーヴェルのスパイダーマンとは違うリブートだよなぁ)。
★
今回の『ザ・バットマン』は内容暗めだけど映像は結構よかったよ(『ノー・タイム・トゥ・ダイ』ほどじゃないけどね)。
なかなか健闘しとります。どんなにリブート繰り返そうとバットマンは野太い声が共通しとります。クロちゃんの「頭のてっぺんから超音波だしてるの?」みたいなバットマンだったら嫌だもの。