最近は『ヘレディタリー/継承』レビューがぼちぼち検索されとります。
なんでかなぁ?と思ったらアリ・アスター監督の新作『ミッドサマー』が公開されてるのね。
で、やっと鑑賞しましたよ。
「ヤバいよヤバいよ」脳内出川フェスティバル。前作もジワジワ来たのですが如何せん恐怖の質が違うから比べようがないわけで。ただ「掴みはオッケー」的な演出は共通しているw。
アリ・アスター監督はドSなの?つーくらい「そこまでやるか!」な地獄を見せてくれますね(容赦ねぇわ)。予告編見る限りある程度は予測できていたし割とストレートな展開なんだけど「これから先どうなっちゃうの?」と目が離せない演出は流石です。グロ有りなので嫌悪感催す人出るかもです。
『パラサイト/半地下の家族』で「とんでもないものを見てしまった」言うんならこちらのほうが格上だぞ(捻ってないのに!)。
つか客を選ぶ映画だなぁ。もともとホラーなんだし(正確にはフェスティバル・スリラーだそうで)。そういうのに一ミリも興味ない人は見ないだろうし。自分も凄い映画だとは思うがおススメはしないなぁ。初見でもヤバいのに数日たってもジワジワ来るのよ。深追いすると更にヤバくなる。
ヤバさマシマシ状態。
もともとカルト集団がムラという組織になった(つまり何代にもわたって生活した)という感じかな。あの儀式は確かにエグいし「ちょっとちょっと・・いくらなんでもそりゃねーだろ!」と旅行客と一緒に憤慨したがw。でも村人にとっては「普通」なんだな。その感覚が完全にマヒしとる。
要は「あなたの常識は世間一般の常識とは違う」ってことだな。「郷に入っては郷に従え」以前の問題だよなぁ。
まぁ、ムラ社会というのは大抵そうなんですけどね。普通は「よそ者」を受け付けない雰囲気なのだがこの映画では「ウェルカム!」だ。別に観光で経済が潤うわけでもなく。その理由は予告編でも充分に理解できるのだが(つまり何かの「生贄」ね)。
そういう儀式のヤバさもそうなんだけど最もヤバいと思ったのは「ダメ!絶対」な植物(だろうと思われる)を栽培しているシーンがあったところ。なるほろ。これでトリップさせるのか。ってヤバすぎるだろー。
あの村で9日間のサマー・フェスティバルって観光客は終始ムラビトに監視されてるわけだし仕切りのない宿って野戦病院か何かですか?赤子の鳴き声が響き続けるのも嫌すぎる。それに9日もありゃ純度100パーな植物を飲み物、食べ物に少しづつ混ぜたりできるからな。
あの村へは空港から車で数時間、さらに徒歩でなければたどり着けないという設定もヤバい。ムラの存在自体も門外不出なのね。そうしなければならない理由もヤヴァイ植物栽培しているという時点で納得。部外者は知ってはいけないのね。
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ジワジワ来てしょうがない。トラウマ必死。メンヘラだった主人公ダニーが精神崩壊してしまうのも納得。アリ・アスター監督、意地が悪すぎるぞ。
★
このトリップ感は天地逆になる映像もあったりして鑑賞客も味わえます。カメラワークは相変わらずレベル高いなぁ。スウェーデンは美しいし些細なシーンも伏線になったりするから脚本も侮れないし。でもエログロ以前に「お薦め」できないんだよなぁ。
【ネタバレ注意】『ミッドサマー/ミッドソマー』考察、解説ᛞᚱ|漁火|note
ほへぇ、北欧神話に基づいてるのね。どこまでも伏線というのも凄いよなぁ。というか前作に続きここまでヤバい作品にオッケー出した「A24」という会社も凄すぎやわ。