そんなことより僕と踊りませんか?

例えば良い物語があってそれを伝える相手がいる。それだけで人生は捨てたもんじゃない(by『海の上のピアニスト』)

いやぁ、やはり名作は色あせないよなぁ。その4

tohoシネマズさんの『午前十時の映画祭FINAL』が佳境に(あと数本で終了)。

 

昔の名作を現代のデジタル化にして上映するというのはお金がかかって採算が取れないということなのだそうで。名画座じゃないからそれはそれでしょうがないよねとも思うが残念で仕方がない。

 

で、今回はクロサワ映画の最高峰でもある『七人の侍』を鑑賞。この作品も人気でごぜじゅう企画でもよく上映されます。だってファンの間でも三本の指に入るくらい有名なんだしな(もちろん『七人の侍』は堂々一位)。

 

さすが世界のクロサワ!世界のミフネ。こんな完璧な作品なんてそうそうお目にかかれるもんじゃありませんよ。

 

この作品がなかったらSW(正確には『隠し砦の三悪人』をベースにしたもの)だって荒野の七人だって出てこなかったのかも。それだけじゃなくいろんな国の監督さんに影響与えてますな。

 

黒澤明『七人の侍』、なぜ海外で今も高く評価されるのか? BBCの「史上最高の外国語映画」に | NewSphere -2ページ

まずは、登場人物がおかれた深刻な状況を見せて観客を引きつけ、「目的(=野武士を倒す)」と「動機(=報酬が欲しい)」を印象づける。同時に、人柄や出自を丁寧に描くことで「役割」を際立たせ、話の展開の理解を助ける。――長尺ながら飽きない秘訣はこの構成にあり、まだまだ活用できるという。

 農民たちが泣き崩れているシーンから「掴みはオッケー」てなもんですな。このストーリーラインは完璧です。二部構成で長い上映時間ながらも飽きの来ない設定は流石だ。

 

各キャラも大変良くて。特に島田勘兵衛(志村喬)の「理想の上司」的な立ち位置や菊千代(三船敏郎)の野生児っぷり!前編の侍集めで片山五郎兵衛(稲葉義男)が勘兵衛の人柄が気に入ってお供するのだが。わかる!わかるよぉ。

 

brimley3.hatenablog.com

ま、内容も鼻血が出るほど有名なんで。同じこと書いてもアレだしなw。確かに好き嫌いはあって「モノクロ映画は駄目」という人もいるとは思うが。映画好きなら一度は見といたほうがいいでしょう。だって世界のクロサワなんやし。

 

それはそれとして。黒澤明監督は完璧主義者なんですが本編もさることながら裏エピソードを知ると大変面白いのです。この『七人の侍』では

 

  • 小屋炎上シーンで「よく燃えるように」とスタッフがガソリンをかけたところでバックドラフト現象が起こり利吉役の土屋義男が入院する騒ぎになった。
  • 案の定撮影が延期してしまい「いつ終了するのか」と重役会議になったが決戦シーンの無いフィルムを上映してガックリ来た重役に「存分にお撮りください」と言わせしめた。
  • クライマックスの雨中の決戦シーンでは9月という設定でもあるのにもかかわらず積雪のある2月の撮影だったのでオープンセットに積もった雪をホースでぐちゃぐちゃにして利用したもの。

 などなど。興味がある方はWiki見るよろし

七人の侍 - Wikipedia

 

 


七人の侍 勘兵衛の名言