さすがホプキンス様の演技は完璧やね。相手役のエマ・トンプソンも上手いなぁ。特にスティーブンス(アンソニー・ホプキンス)とケントン(エマ・トンプソン)の静かな確執がじわじわ来る。お互いに「仕事ができる人」と認め合ってるから尚更。
やはりスティーブンスの名執事ぷりに尽きます。ご主人様(ダーリントン卿)に尽くしてるなぁ。テキパキ仕事をこなすし周りに目が行き届いてるし。女中頭のケントンも同じようなタイプだから衝突することままあるけど憎んではいないしむしろ「充実している」感じが伝わってきます。
「これぞ名執事や!」と思ったのはゲストに「君はどう思う?」と議論をふっかけられたシーン。質問変えて何度聞いても「わかりません」と答えるスティーブンス。もし余計なことを言って御主人の顔に泥を塗るようなことをしたんじゃたまったもんではないですからね。ここは無難に・・ということか。
ダーリントン卿も本当にいい人で「スティーブンスはこんな人に仕えることができて幸せだよなぁ」と思うほど。でもいい人すぎるのでカーディナル(ヒュー・グラント)に「利用されてしまうのでは?」と心配されるほど。いい人もほどほどに。
『日の名残り』(ひのなごり、The Remains of the Day)は、1993年のイギリスの映画。カズオ・イシグロの同名の小説を映画化したものである。アカデミー賞では、主演男優賞、主演女優賞、美術賞、衣装デザイン賞、監督賞、作曲賞、作品賞、脚本賞の8部門にノミネートされた。
沢山ノミネートされるほどの作品なのにひとつもオスカーを獲れなかったのは悔しいところ。その時の対抗馬は『シンドラーのリスト』ですからねぇ。相手が悪すぎた(ちなみに『シンドラー』は12部門ノミネート、7部門受賞)。でもこの映画を最も有名にしたのは原作者のカズオ・イシグロが2017年にノーベル文学賞とってからでしょうな。
どうしてもケン・イシグロ(石黒賢)と間違えて言っちゃうんだけどねw。
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イギリスの風景がイイ!「掴みはオッケー」ですよ。ホプキンスやエマ・トンプソンの名演技を堪能するだけでも溜息が出ますよ。ちと切ない恋愛模様にグッときます。スティーブンスったら素直じゃないんだからぁ。