自分の中では「みんな戦争が悪いんや!」と「終わり良ければ総て良し」が混在しています。感動というありきたりな言葉では言い表せないよ。カルピスの原液を飲み干した感じ。さすが巨匠!
それよりも70年代後半から80年代にかけて洋画の邦題は『愛とホニャララの~』というタイトルばっかりだったのは如何なものかと(たぶん『愛と青春の旅立ち』が大ヒットしたからだと思うのだが)。
【コラム】映画の邦題はなぜ、どのようにつけられる?| マーケティング戦略としての邦題
そもそも、邦題は誰がつけるのでしょうか?
実は、ほとんどの場合、邦題をつけるのは日本の配給会社なんです!
Forbes Japanでの映画配給会社ビターズエンドのインタビューによると、多くの場合、海外から作品を買いつけした後に、客層と劇場を想定し、邦題を決めるそうです。
ふぅむ。配給会社かぁ(ま、当然といえば当然か)。いや、それにしても当時は「右に倣え」感が凄かったなぁ。映画もエンタメである以上、邦題はより多くの人に作品を届けるためのマーケティング戦略なんだよね。ちなみに自分が一番好きな邦題は『冷たい月を抱く女』(原題:Malice)かな。
そんな『愛と哀しみのボレロ』(原題:Lus Uns et les Autres)。原題を訳すと「人それぞれ」なんですが邦題の方がしっくりきますね。今流行りのAIにタイトル頼んでも『愛と哀しみのボレロ』になりそうな気がしてならない(「家族愛」「夫婦愛」や「ボレロ」「哀しみ」というワードが出そうなので)。
クライマックスのモーリス・ベジャール振付のジョルジュ・ドンによるバレエのボレロが有名であり、この「ベジャールによるボレロの振付」は、日本で初めて、パフォーマンスとしての知的財産権を獲得しており、許可なくこの振付で踊ることは許されない。
けっこうレア物なんだね。すげーー。お得感倍増w。コレと野村萬斎の田楽踊り(『のぼうの城』)は要チェックだ!
『愛と哀しみのボレロ』あらすじ.相関図からキャスト.感想.評価レビュー|ラストシーンネタバレ含みます|「午前十時の映画祭13」で各都市指定映画館で上映 - ムービー ダイアリーズ
『愛と哀しみのボレロ』の素晴らしさは、さまざまなダンスが物語を押し進めていく点にあります。
ジョルジュ・ドンの踊りは「モダンバレエ」です。
(略)
さらにはパリ解放に立ち会うジャック・グレン(ジェームズ・カーン)のビッグバンドサウンドに載せて踊る、パリの人々の歓喜のダンス。
クラシックからモダンバレエ、フォークロア、ジャズダンス、そして市井の人々のダンスまで、踊りの要素がバラエティ豊かなんです。
人の感情をさまざまな踊りに託した『愛と哀しみのボレロ』は、ミュージカルとは違った迫力があるとぼくは感じています。
そうなんだよねー。音楽とダンスは切っても切れない間柄だけどこうも素晴らしいと「ありがとう!」としか言えないよ。それに冒頭のボレロからモスクワエピソードのタチアナが躍るボレロに繋がるなんてニクイ演出。映画は最初の20分で決まると思ってるんだけど見事に合格(ま、例外もあるが)。
★
大河ドラマなので184分と長めですが飽きない演出は流石だ。4つの家族の物語が繰り広げられますが脇キャラも魅力的。なかでも「盲目のアコーディオン弾き」が良いアクセントになってるなぁ。ジワジワ来る作品でした。