そんなことより僕と踊りませんか?

例えば良い物語があってそれを伝える相手がいる。それだけで人生は捨てたもんじゃない(by『海の上のピアニスト』)

なかなか良さげな青春ミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』。

僕たちはこの街じゃ 夜更かしの好きなフクロウ

本当の気持ち隠している そうカメレオン

(song byエコーズ『ZOO』)

 

「思いやりの嘘」は悲しみを癒やす?『ディア・エヴァン・ハンセン』はミュージカル入門にも最適な感動の青春ドラマ | 映画 | BANGER!!!

今まで見たことのない青春ミュージカルや。高校生が主役というと『フットルース』『グリース』等のようなキラキラしたミュージカルを想像してしまいがち。

 

でも今回見た『ディア・エヴァン・ハンセン』は割と地味目。というかティーン特有の悩み、苦しみを「これでもか!」と言わんばかり前面に出してミュージカルに仕上げてるので毛色が違うというか何というか。

 

登場人物の独白を歌にするので『コーラス・ライン』のワンシーン(自己ピーアールをダンスで表現する)みたいなもんかな。微妙に違うが。

 

映画と音楽は切っても切れない関係なようにミュージカルと映画って相性良くって。ブロードウェイで大ヒットした作品を映画にしたりその逆も然り(劇団四季なんてそうですね)。自分が知ってる変わり種といえば『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』くらいかな(もともとB級ホラーだったのをミュージカルにしたら大ヒットしたので映画にしたという出戻り映画なので)。

 

で、話を『ディア・エヴァン・~』に戻しますが。

ブロードウェイ上演時には、インスタグラムなどSNSを題材とした先駆け的な作品だったようで、この映画版でもネット上における拡散の驚き、共感、中毒性、数の暴力といった正と負の側面をきれいに落とし込みつつ、ティーンエイジャーの心の動きを繊細に描いていると思った。

映画版でも小道具としてSNS活躍しとります。(-ω-;)ウーン。ネットこわい。

 

車でも人や物を運搬するには非常に便利だが事故を起こすと誰かを傷つけるという「もろ刃の剣」みたいなところがあるように。ネットは便利な反面、使い方によってはパラダイスでもなんでもないのですよ。

 

『罪の声』『空白』でも思ったんだけど誰かの正義は誰かを苦しめるのです。そこんとこ理解しとかないとインターネッツのコミュニケーションは難しいのではないかと。人の考えなんて1か0かという2進法では収まり切れないのですから。ネットは世間だし。

 

この『ディア・エヴァン・~』でも悪人なんてひとりもいません。悪いのは嘘をついたエヴァンだけどコナー母の物凄い圧に耐え切れなくて「魔が差して・・つい・・」としか思えないし。

 

エヴァンが息を吐くように嘘をつく子じゃなくてよかったよ。カウンセラー通うほどの心の弱い子でなくとも「コナーと親友だったのね。そうでしょ?そんなんでしょ?」と問い詰められたら誰だってオドオドしちゃうじゃないか!

 

普通なら「コナーと友達でいてくれてありがとう」で済む筈なのに何故か家族ぐるみの付き合いにまで発展しちゃうしコナー母暴走し過ぎやろ。エヴァン母怒るの無理ないよな。でもそれいっちゃあミュージカルとして成立しないし。

 

 

映画の最初の予告編は2021年5月18日にオンラインで公開された。エヴァン・ハンセンの登場は批判に満ち、視聴者は27歳のプラットが10代を演じるには年を取りすぎているように見えるとコメントした[9]

ディア・エヴァン・ハンセン (映画) - Wikipedia

そんなこと言われてもねぇ・・