そんなことより僕と踊りませんか?

例えば良い物語があってそれを伝える相手がいる。それだけで人生は捨てたもんじゃない(by『海の上のピアニスト』)

再読したくなるというのはこういうことさ。

この「仕掛け」に関し、私は他の本では見たことがなかったため素直に感心しましたが、その「仕掛け」がわかった後でも、「恋愛小説」としては、あまりに普通すぎる恋愛模様しか描かれていないと感じました。
「二回読みたくなる」は、私にとっては「(「仕掛け」を確認するために)二回読みたくなる」であって「二回読みたくなる(ほどおもしろい)」ではありませんでした。

はてなハイクで「再読する気にならない」と書いたのは作者のあざとさが感じられたからなんだよね。なんかあまりにも普通すぎる内容でw。そういう小手先のトリックよりも内容ありきなんじゃないの?とくに小説は。タイトルが凝っているとかレコードやカセットみたくA面、B面にしているとか面白いと思うけど。そもそも目次タイトル気にしながら読む人いる?普通の恋愛小説だし(あるあるネタみたいなw)。サクサク軽く読めるけど「これが人気作家の文章だ!流石だ」というのは皆無w。ちょっと面白い文章を書ける人のweb日記を読んでいる感じだった。少なくとも文章オタクの宮部みゆきよりは劣るんじゃない?

それに『再読のお供に』という「夜のお供にうなぎパイ」みたいな解説はなんなのアレ?なんか出版社の意図も見えるな〜と思ってね。レベルの高い小説じゃないのに上から目線なんだよね。とにかく自分には合わないかなw。何度でも読みたくなるというのはそういうもんじゃないでしょ・・ということでw。

流石繋がりやすさは天下一品のはてななんでファンからクレーム(というか、「ミステリということはご存じですか?」とコメント)が来てw。ううむ。ミステリなのか〜?東野圭吾の本ばかり読んでるからよくわかんないやw。

で、そんな文句ばかり言ってもアレなんで。「これは再読したいと思った(つか再読した)」という小説を2つばかり挙げますね。この本読んで「いや、乾くるみの『イニシエーション・ラブ』のほうが素晴らしい。傑作だ」というのであれば本代くらい払ってやるよ。

『向日葵の咲かない夏』道尾秀介
長い間どこの本屋でも平積みになってるので読んでみた。面白いw。最初は普通の事件(?)なのに誰が正しいことを言って何が間違っているのかストーリーが進むにつれこんがらがってくる。「いくら女の子は早熟といってもアレでしょう」と思っていたらw。ああいうオチかよ。つか矛盾しているような。というわけで再読。ちとおかしな点はあるかもしれないがストーリーとしては秀逸。ラストもなかなかいい。キャラが良いね。

『僕と1ルピーの神様』ヴィカス・スワラップ
映画『スラムドック&ミリオネア』の原作本。映画はアカデミー賞を獲ってアタリマエというか「コレ、なんにも賞あげなきゃ審査員バカなんじゃないの?」というくらいな素晴らしい作品でしたが原作のイイトコドリだったんですねw。つか主人公の設定が微妙に違うしw。映画と原作は別物ですが余りにも微妙に違うので違和感あるものの映画は素敵な作品に仕上がってます。脚本が良すぎww。
原作も映画と同じようにクイズ番組ありきな内容ですのでクイズの問題順に主人公のエピソードが語られます。時系列がメチャクチャですがちゃんと主人公が何歳から何歳までのエピソードがサブタイトルに書かれているのでわかりやすいw。映画も「人生は過酷だ」と感動したら原作の方がもっとスゴイでやんの。