映画と音楽は切っても切れない関係ですね。ヒット作の類になると相乗効果で音楽もヒットするのが常ですな。
テーマ音楽はスタンリー・マイヤーズ作曲の「カヴァティーナ」。ギターは何とジョン・ウィリアムスによるもの。もともとは『サンダーボルト』(1974年)で使う予定の曲だったが主演のクリント・イーストウッドに却下されたため本作で使われたとか。
名作ではあるが今回改めて見直すとメインのベトナム体験シーンはごくわずか。むしろ戦地に行くまでの地元でうだうだしている部分が中盤まであるので眠くなる。製作のユナイテッド・アーティスツは『地獄の黙示録』でお金を使い果たしたんだなと思ったな(ちなみに『地獄の黙示録』はかなりの難産でこの映画の後に制作された『ディア・ハンター』が先に公開されたほど)。
その地元(ペンシルバニア州ピッツバーグ郊外)でうだうだしているシーンとしては結婚式や披露宴シーン等がありコレはコレで町の様子が丁寧に描かれているのですが。「君の瞳に恋してる」の元歌がフランキー・ヴァリだったのか(シュープリームスだと思ってた。wiki見たらいろんなアーティストが歌ってるんだな。)
登場人物らがロシア系アメリカ人という設定なんだけどデ・ニーロどう見てもロシア系じゃないよねぇ・・
ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジ出身[2]。父親のロバート・デ・ニーロ・Sr.と母親のヴァージニア・アドミラルはともに画家。父はイタリア系及びアイルランド系であり、母はイングランド、ドイツ、フランス、オランダの血を引いていた[3][4]。
ま、いいか。役柄なんだしw。それに欧米人からすればアジア系はみんな同じに見えるというし。それはそれとして。メリルー(メリル・ストリープ)が映画2度目の出演なのにアカデミー助演女優賞にノミネートされるというのが凄い。
それに前半の結婚式はロシア式なんで新郎新婦の立会人が疲れない?と思ったり披露宴のバカ騒ぎが面白かったり。
本作の主人公はアメリカの田舎街の若者達。
その街では若者も老人もみんな知り合いで、親が就いていた職業に成人後の子供達も就く。夜勤明けに朝っぱらから酒を飲み、馬鹿騒ぎをし、中には嫌な野郎もいるが腐れ縁で離れることはできない。
そんな彼らにとっての日常が前半パートで描かれるのですが、ベトナム戦争とその後遺症というメインテーマに至るまでの前振りが実に1時間。永遠に終わらないかと思う程の長さで疲れました。
ディア・ハンター_違和感の多い名作【4点/10点満点中】(ネタバレあり・感想・解説) | 公認会計士の理屈っぽい映画レビュー
ほんとそれ。結婚式、披露宴、鹿狩りシーンと「もう少し詰められない?」とも思うのだが。やはり『地獄の黙示録』か(コッポラのほうがチミノより有名だし)。
『地獄の黙示録』が難産だったのに対し『ディア・ハンター』は公開後「ベトナム人に対する差別だ」「ロシアン・ルーレットが戦場で行われたことはない」等といろんな物議を醸しだしました。
でもね。名作と言われるのはココからなんよ。なんせデ・ニーロとメリルーの演技合戦が凄かったし。デ・ニーロ、メリルーはもとよりクリストファー・ウォーケン、ジョン・サヴェージ、ジョン・カザールと名優ぞろい!
特にニック(クリストファー・ウォーケン)の壊れっぷりに涙。戦争の後遺症に悩める人々は見ててつらくなる。マイケル(デ・ニーロ)が町に帰ってくるとき歓迎してくれる仲間たちとは会わずにモーテルに行き膝を抱えて眠るシーンなんか好き。
★
鹿狩りを楽しめなくなったマイケルが辛いなぁ。一発で仕留めるのが信条だったのに・・。せんそう、だめ。ぜったい。