そんなことより僕と踊りませんか?

例えば良い物語があってそれを伝える相手がいる。それだけで人生は捨てたもんじゃない(by『海の上のピアニスト』)

【午前十時の映画祭】ライトスタッフ(1983年)。

なかなか骨太な映画ですた。上映時間193分と結構長くてお尻が痛くなったけどそんなの気にならないくらい面白い。クスクス笑えるところも多いし。

 

最後までテストパイロットを貫くイェーガーは漢(オトコ)だねぇ。

「ガムあるか?あとで返す」「いいよ」イェーガーとリドレーは名コンビだしw。この信頼関係ときたら。

 

「宇宙を制する者が世界を制す」。ソ連にこのまま先を越されてはたまらない。アメリカは躍起になって計画を進めた。飛行の候補に挙がったのは、アクロバット芸人やサーファーなどの卓越した体力の持ち主。冗談のような本当の話だ。

ライトスタッフ〜英雄になった7人の宇宙飛行士と荒野の大空で宇宙を垣間見た独りの男|TAP the SCENE|TAP the POP

あれ、本当だったんかいw。ドキュメンタリー映画ではなくあくまでも娯楽用に作られたものなので史実とは異なる部分もあるようです(イェーガーは元々X-1のテストパイロットで音速突破前までに50回もの動力飛行を行っているので前日に操縦を引き受けるシーンは映画の演出だそうです)。

 

でもって。この作品の魅力は演出が見事なところ。

 

黒服の牧師がやってくる冒頭シーンからしてイイね!パパラッチがわんさか押し寄せてくるシーンでは羽音がうるさく鳴り響くという演出もいいねぇ(「パパラッチ」はイタリア語ではえやブヨのようにうるさくつきまとう」意味なので)。

 

特に面白かったのがアラン(スコット・グレン)と看護師とのやりとり。自分は悪気なくとも相手からすると屈辱なんだよ。病院で逆転するところが堪んない。

 

1961年7月21日にマーキュリー・レッドストーン4号(リバティベル7)に搭乗して、2番目に飛行したのはグリソム(*20)だった。シェパードの弾道飛行と基本的に同じことの繰り返しで、マスコミの注目度は低かった。

 

 そして飛行自体は成功させたものの、着水時の操作ミスなのか、それとも誤動作(*21)なのか、新しく取り付けられた緊急脱出用ハッチの爆発ボルトが早めに作動してしまう。海水が船内に流れ込んできて、貴重なデータと共にカプセルは海底に沈んでいった。グリソムは溺れそうになるが、ヘリコプターにかろうじて救助される。

『ライトスタッフ』史実を元に作り上げた、フィリップ・カウフマンの脚色・演出術とは :5ページ目|CINEMORE(シネモア)

カイジの「金は命より重い」という名言よろしく「データは命より重い」と思ったな。ああっ!ポッドが海の底にぃぃ!!き、貴重なデータがぁ・・(汗)。これにはヘリの救助隊も「目が点」だったろうて。

 

確かに飛行は成功したんだけどね。ガスも救助されて無事なんだけどね。データ紛失は痛い。ガスの奥さんが「なんでパレードも無くこんなしょぼい扱いなの?」と怒るのも無理はないと思うが如何せんあんなにお金かけたのに貴重なデータが海の藻屑と化すとなぁ・・結構荒れてたし回収困難だったのでは?

 

それよりもこの『ライトスタッフ』は出演陣の豪華さに尽きる。エド・ハリス、スコット・グレン等の第一線で活躍している人たちばかりだしデニス・クエイドジェフ・ゴールドブラムまでいるというゴージャスさ。でも内容は宇宙飛行士の舞台裏という訓練だらけで割と地味なんだよね。

 

フィリップ・カウフマン監督の力量で登場人物が全員主人公になっても不自然ではないくらいのドラマに仕立て上げたのは最高!初期の脚本ではイエーガー登場しなかったそうです。

 

 

イエーガーも格好良かったが奥さんの台詞パイロットたちは恐怖を克服する訓練を受けているけど、妻たちには何もない。もし夫が死んだら給料二か月分の手当が支給されるだけ。でもいいのよ。空に夢を賭ける男、魅力的よ。私が我慢できないのは過去に生きる男たち。過去の思い出に浸っている。もしあなたがそうなったら私は家を出て永久に戻らない」は格好良すぎ!イエーガーだけでなく奥さんも一匹狼だったか。