そんなことより僕と踊りませんか?

例えば良い物語があってそれを伝える相手がいる。それだけで人生は捨てたもんじゃない(by『海の上のピアニスト』)

何がJ・クロフォードに起こったか?

brimley3.hatenablog.com

 これを書いたとき「そういえば『何がジェーンに起こったか?』のDVD持ってたんだよな」と思い引っ張り出して再見した。

 

(-ω-;)ウーンやっぱり怖い。凄い。

 

車いす生活を送るブランチ(J・クロフォード)の部屋が二階だなんて最初からおかしいし(しかも格子窓)、お隣さんにつっけんどんなジェーン(B・ディヴィス)は「ま、たまーにこういう人いるよね」なんだけどやはり彼女の白塗り&ロリ衣装は脳天をハンマーで殴られたような衝撃を受けたのは自分だけではないはず。

 

ストーリーが続くにつれジェーンの奇行が目立ち始め。超えてはいけない所まで一直線・・姉妹でマウントの取り合いは凄すぎる。嫌すぎる。姉も精神的にジェーンを追い詰めちゃったんだな。彼女らの人生は二転三転してたのね。

 

それよりも。あの二人が海岸にいるのが物凄く異様なのだが。「浮いてる」なんて生易しいもんじゃねーぞ。なんで誰も気づかない?

 

ジェーンの「私たち、無駄に憎み合ってたのね」というセリフがやけに空しい。嗚呼、覆水盆に返らず決定版。

 

★★

 

それはそれとして。デイヴィスの経歴をWikiで調べたら彼女は元々舞台女優だったのね。オフ・ブロードウェイ、ブロードウェイで活躍したこともあるくらいだから「最初から飛ばしてたんだな」と思いきや1931年にユニバーサル映画で契約したは良いが作品には恵まれなかったとか。

 

当時のユニバーサル幹部より「スターの素質は無い」と解雇の憂き目にあうがその後、ワーナーブラザーズと専属契約を結び注目され始めるような作品にも出会い1949年までワーナーとの契約期間中に大スターの地位を築き上げるようになったとか。

 

ワーナーでは便利使いの適当なヒロイン役や準ヒロイン役に甘んじていたが『痴人の愛』のミルドレッド役(「イメージダウンに繋がるから」という理由で断る女優が多かったみたい)を演じたことで評論家や批評家も激賞したというほどらしいので転機になったんだろうね。

 

でもワーナーの専属契約期間中だったということもあり他社の作品なんでワーナーは彼女を締め出しにかかったとか。圧によりオスカーにノミネートされなかったので怒ったファンや評論家がアカデミーの事務所に抗議しまくったり「オスカー史上、最も大きな過ち」という黒歴史になったりしたそうで。

 

いやぁ、けっこう凄いなぁ。ちなみに『何がジェーンに起こったか』はワーナーの専属契約を終了してフリーになってからの作品です。いわばデイヴィスの中期作品ね。

 

★★

 

対するクロフォード。ブロードウェイのコーラスガールとして舞台に出演するまではアメリカ各地を巡業する演劇一座のダンサーだったとか。ブロードウェイという点ではデイヴィスと共通点がありますな。1925年にMGMと専属契約を結んで彼女の本格的な女優生活が始まっています。

 

当時、飛ぶ鳥を落とす勢いだったMGMですからねー。奇麗だしさぞや人気が出たのかと思いきや端役ばかりで苛立ちを募らせていたとか。そんな彼女だが徐々に自分を売り込むことで1930年代には当時のMGM看板スターであるノーマ・シアラーグレタ・ガルボと並び評されることに!

 

当時のクロフォードは「シンデレラ・ストーリー」と呼ばれる作品に多く出演しており特に女性層の受けが良くてハリウッドで最も有名な女優のひとりになったとか。当然ギャラも女優の中で最高額を受け取るほどになったが徐々に作品の人気は落ち1930年代の終わりごろには「出演料の割には興行成績に貢献しない女」というレッテルを貼られてしまうように!

 

女優としてのキャリアは40年代前半から上昇し始めたり結構浮き沈み激しかったのね。

 

ちなみに『何がジェーンに起こったか?』は彼女の女優人生後期の作品でもあり当社のクロフォードはブランチ役に乗り気ではなかったそうで(でも自身の相手役ジェーンにはデイヴィスを推したようです)。

 

もともと犬猿の仲だったのに撮影終了時も悪口の言い合いで更に悪化。しかもアカデミー賞にはデイヴィスだけがノミネートされたもんだから不買運動ならぬデイヴィスの受賞への反対活動したようで。こじらせたなぁ。

 

 

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これはちょっと気になる・・。ま、ドラマだからねぇ演出は相当あると思うが。デイヴィス役にスーザン・サランドン、クロフォード役にジェシカ・ラングかぁ。

タイトルだけでお腹いっぱいですゲフッ