そんなことより僕と踊りませんか?

例えば良い物語があってそれを伝える相手がいる。それだけで人生は捨てたもんじゃない(by『海の上のピアニスト』)

東野圭吾『手紙』は想定の範囲内ながらもヤラレマシタ。

ラスト、わかっちゃいながら泣いてしまった。こういう展開になるのは予想ついたのに・・。

 

ま、映画にもなったことだし。ストーリーはあまり捻ってなくて「こんな素直すぎるケイゴリンって・・」とファンが言いそうですがね。え?ストーリー知らない?映画も興行収入が12億というスマッシュヒットだったのに・・

 

弟の大学入学のために強盗殺人犯になってしまった剛志。主人公の武島直貴には、月に一度、獄中の兄から手紙が届く。獄中の兄の平穏な日々とは裏腹に、進学、就職、ミュージシャン、恋愛と、直貴が幸せをつかもうとするたびに、彼の前には「強盗殺人犯の弟」という運命が立ちはだかる。理解してくれる由美子と結婚して幸せが訪れるが娘の実記が当該理由で仲間はずれにされる、正々堂々と生きている意味がなくなる。そして剛志との縁を切るため手紙を出す。しかし犯罪者の親兄弟及び娘も許されない責任があるというテーマの作品である。

手紙 (小説) - Wikipedia 

 

ヒトコトで言うなら「おまえならどーするよ」と突きつけられた作品。他人事ではいられないんだよなぁ。人生なんて何が起こるかわからないし。身内が犯罪者になってしまったら?巻き込まれたりしたら?佐藤浩市主演の『誰も守ってくれない』という映画思い出しちまったぜ(殺人犯の妹役に志田未来ちゃんなんだけどパパラッチに追いかけられたり恋人にも裏切られたり散々な目に遭うのよ)。

 

個人的には直貴が苦労して就職するもなんだかんだあってまた「兄が犯罪者」ということで苦労しまたまたやさぐれてしまう第4章が好き。社長が出てくるんだけどね。いいこと言うのよ。

 

「差別はなくならないよ」

 

をいをい。どこがイイ言葉なんだよ!困っている人を突き落とすようなこというんじゃねーよ!とお思いでしょう。自分もそう思いました。これ、この記事タイトルで更新しようもんなら確実にタイトルだけで脊椎反射する輩が2割増です。

 

会話のやり取りを見ているうちに「あ、なぁんだ。そういうことか。社長は酷い人間じゃないんだ」とわかります。ふむふむ。こういう考え方もあるのだなぁ。最終章でも社長は出てきます。こういう冷静な判断をする人のもとで働けたらなんと幸せなことでしょうw。

 

そして。怒涛の最終章。展開読めながらも「ヤラレタ」感がパネェす。特にラストの数行に・・。

 

 

そんなケイゴリン(飲み屋でおねーちゃんにそう言われているらしい)より僕と踊りませんか?

ではまた( ´ ▽ ` )ノ