そんなことより僕と踊りませんか?

例えば良い物語があってそれを伝える相手がいる。それだけで人生は捨てたもんじゃない(by『海の上のピアニスト』)

黒沢節が炸裂していた映画『クリーピー 偽りの隣人』。

tohoシネマズさんで観たのですが。あれれ~?なんで話題作なのに東京では錦糸町のみなの?おかしいなぁ(byコナン君)。

 

この『クリーピー』は松竹映画(120周年だそうで)でした。だから東宝系の映画館にはそんなに出回らないのかw。そんなもんなの?つい洋画の方に気を取られちゃうんだけどさ。

 

coco.to

まずまずな満足度。やはり「映像と原作は別物」だけあり原作ファンには不満も残るようです。最近の邦画サスペンスでは頑張ったほうじゃない?と思うけどな。黒沢清作品は当たり外れ多いけどこれは「当たり!」。香川照之がうますぎる。

 

香川照之以外の出演陣も西島秀俊竹内結子と豪華。あ、『ソロモンの偽証』の藤野涼子も重要な役どころだ。なかなか脇キャラも演技達者で(西島秀俊は主役かw)。

 

西野(香川照之)は登場シーンから「ヤヴァイ人」オーラ出しまくり。態度コロコロ変わったり。ううむ。サイコパスかなぁ?なんだか微妙なんだけど。

 

tokutyou.com

なんか微妙なキャラなんですよ。ヤヴァイ人には間違いないんだけど。どちらかというと『黒い家』の菰田幸子のほうがサイコパス。西野は菰田にもうちょっと「心」がある感じ。

 

coco.to

やはりサイコパスとくれば「ハスミン」でしょう。ハスミンが子供時代から聞いてた歌が怖い・・。爽やか伊藤君がハスミン役にぴったり。てっきり海猿』の続編出来なくなった(どうやら原作者とフジがもめたらしい)のでサイコパスになったんだと思ったよ。

 

それはそれとして。『クリーピー』なんですが。香川照之サイコパス演技も絶妙!「ヤヴァイ人」オーラ全開で。先ほどの『黒い家』と被るけれど大竹しのぶも良い意味で怪物だと思ったのですがそれを凌駕するほどの香川さんの演技っぷり。

 

隣に座っていた人なんか身を乗り出して見るほど。「え?」→「ええっ~!」となること間違いなし(これは保証する)。高倉の妻康子(竹内結子)が西野の手中に収まる様なんぞヤバすぎだろー。

 

もうハラハラドキドキしっぱなしや。久しぶりに邦画で手に汗握ったかも。高倉(西島秀俊)の尋問シーンで意図的に照明が暗くなるとか演出も黒沢清作品や。でもこんなに面白い題材なのに充分生かしきれていないというか「詰めが甘い」ような所も多々あるんだよね。原作ファンからの酷評ツイートあるしね。

 

そんな不満な人にお答えします。「日本の警察なめんなよ」と言いたくなるほどのお粗末さや主役が一見頼りになりそうに見えて案外そうでもないのは。

 

黒沢清監督作品だからです。これは間違いない。

 

 

クリーピー(creepy)の意味は「ぞっとするさま。ぞくぞくするさま」です。タイトルに偽りなし。

そんな香川照之より僕と踊りませんか?

ではまた( ´ ▽ ` )ノ