そんなことより僕と踊りませんか?

例えば良い物語があってそれを伝える相手がいる。それだけで人生は捨てたもんじゃない(by『海の上のピアニスト』)

【午前十時の映画祭】フィッシャー・キング(1991年)。

まさかテリー・ギリアムに泣かされる日が来ようとは・・夢にも思ってなかったぜ。というかギリアム監督らしくない。だって元モンティ・パイソンだし『未来世紀ブラジル』『バンデッドQ』のぶっ飛んだ世界観を披露してくれる監督なんだぜ。

 

「フィッシャー・キング」に関する感想・評価 / coco 映画レビュー

満足度83%でしたな。なかなか高評価で。やはり自分と同じように「ギリアム監督らしくない」もあった。でも好きな作品。わりとユーモアあふれてるし。ホッコリするし。微妙にギリアムでした。

 

で、この作品ってギリアム監督が初めて脚本に関わっていないのだそうで。だから割と素直だったのかw。これこれ、このくらいでちょうどいいんだよ。作家性を失う代わりにエンタメ性を重視して魔改造に成功した新海誠監督みたいになるかと思いきや意外とそうでもなく。

 

やはり『フィッシャー・キング』はパリー役のロビン・ウィリアムズに尽きる。演技達者やなぁ。悪ノリするあたりギリアム作品ぽいけど愛おしくなるほどの変人ぷりだしなぁ。こういうギリギリなラインはロビンならでは(一時期、オトナコドモみたいな役柄多くて「なんかもったいないなぁ」と思ったな)。

 

主役のジャック(ジェフ・ブリッジス)も凄い。ショックを受けたときのドアップが二度ほど出るのですが表情が良い。やはりギリアム作品なので「クセツヨだけど愛おしくなる」キャラばかりです。ジャックの恋人役のマーセデス・ルールはアカデミー助演女優賞ゲットするくらいだからエエ味出してるんですよ。

 

映画【フィッシャー・キング】あらすじ感想。“癒えない傷”を持つ人へ│天衣無縫に映画をつづる

悲劇を引き起こしてしまったジャックの葛藤に加えてジャック&アン、パリー&リディア(アマンダ・プラマー)の2組のカップルのラブロマンスも描かれる贅沢な映画。

自分はレストランでのダブルデートが好き。クスクス笑えるしパリーがリディアに歌を歌うシーンはだんだんカメラが引くのよ。演出が堪んない。

 

ああ、なんかホッコリするなぁ。

 

 

ジャックの「俺が煽ったせいで・・」と苦悩する様は普通の感情だよなぁ。トランプも見習えや!