大人の寓話でした。総ツイート3件というのがw。自分が「普通」評価したのが原因か。ブラックな作品なのですがね。全体的に上品というか。
「見た目は大人、中身は子供」ならMr.ビーンぐらい突き抜けたほうが良かったけどピーター・セラーズだしな。上品な紳士だった。こういう勘違いシチュエーションは古典落語にもあるので万国共通か。
『チャンス』(Being There)は、ニーチェの『ツァラトゥストラはかく語りき』を下敷きにしたジャージ・コジンスキー原作・脚色のコメディー映画。
愚者が山から下り教師となって、エンディングではツァラトゥストラに則り超人となってしまう。そんな主人公を取り巻く人々の姿を20世紀後半のワシントンD.C.を舞台に活写した。
そういや、チャンスが家から出るシーンに『ツァラトゥストラはかく語りき』をアレンジした曲が流れてたな。あれは『2001年宇宙の旅』みたいに何もかも初めての体験をするという意味合いで流れてたと思ったのだが。
この感想を言うならば。人間、見た目なんだなということ。面接でも最初のインスピレーションによって選ばれることままあるし。劇中のチャンス(ピーター・セラーズ)は読み書きもできないし当主の死の意味もわからない。彼のことをよく知る人物は女中のルイーズのみ。
後にルイーズはチャンスがテレビに出ているのを見て「あいつが白人だからだよ。ろくに読み書きもできないくせに」というシーンあるけど。ここが一番ブラックだったな。
チャンスは背広を着て(どうやら当主のお下がりらしい)物腰も柔らかいので周りは騙されたのだな。騙したわけではなくて勘違いしただけなんだろうけど。この勘違いっぷりときたら!「なんか変だぞ」と思ったのは主治医だけだとは。
テレビを見てるんじゃなくてザッピングしてるだけなんだもの。普通は「コレ面白そうだな」という番組を見つける為にチャンネル変えるのだけどチャンスは「ザッピングする」のが好きな感じ。そういうのは幼児だよね。
チャンスが見た目、お上品な紳士なので見事に騙されてしまいました。しかも誰も「おかしい」と思う人がいないので大統領候補まで上り詰めましたとさ。おしまい。
★
チャンスが「見るのが好き」を勘違いしたエヴァ(シャーリー・マクレーン)。いくらなんでもアレはww。テレビと同じ行動するのもやはり児童だ。テレビばかり見てると目が悪くなるぞ。