こないだ見た『オリエント急行殺人事件』といい。なんでこうもリメイクしたがる監督多いのでしょうか。「リメイクはオリジナルを超えない」ことは十分承知(?)の筈なのに。滅多にリメイクがヒットしたことありませんね。
このヒットというのは「評価が高い」ということも含まれるのですが。名作や傑作をリメイクすると大抵はファンが見に来ます(ヒット作の続編と同じやね)。これはテレビの影響もあります。続編映画がヒットする仕組みは
- 番宣のため出演者がテレビで告知
- 前作をテレビ放映
- 映画CMをバンバン流す
こんなところじゃないのかな?「前作が面白かったから」「予告編が面白そう(期待)」とお客さんが見に来るのです。続編が劣化するのは大抵がヒットしてスポンサーが付いて資金をだいぶ調達できるようになり要らんことばっかりやって散漫になるのが多いとです。
それとは少し違うのがリメイク。新人監督さんはリメイクなんて冒険しません。沢山の作品を輩出して(ヒット作なら尚良し)そこそこ知られるようになった監督さんがリメイクに挑戦しますね。ま、そのほうがヒットする確率は高そうだけど。
「ヒットする=興行収入が上がる」ではあるのですが数字だけでは必ずしも観客の評価には繋がらないのです。実際に見て「そこまで面白い作品なのかな?」と思うような映画に出会うことありますよね。こないだテレビで放映していた『君の名は。』だって「あんましノレなかった」ツイートもあったし。感性は人それぞれだからね。
★★
で。話をリメイクに戻してヨイショ
確かにセオリー通りにいけば「リメイクはオリジナルを超えない」のですが例外は希にあるのです。独断と偏見ではありますが「これは超えたかも(またはそこまでいかなくともクオリティ高い)」というような作品をいくつか紹介。
リトルショップ・オブ・ホラーズ(1986年、フランク・オズ作品)
オリジナルは1960年のB級ホラー(しかも同名)。今やSWでヨーダの声を担当しているフランク・オズなんで監督よりそっちのほうが有名かもw。で、この作品は全然ヒットしなかったのでミュージカル風にして舞台でやったら大ヒット。その映画がフランク・オズ版なのです。いわば出戻り映画ですね。てっきりこれがオリジナルかと思ってたよ。
ザ・フライ(1986、デヴィット・クローネンバーグ作品)
オリジナルは1958年のB級ホラー『ハエ男の恐怖』(でも原題はThe fly)。どうやらB級のほうがリメイクはヒットしやすいのかも。内容はだいたい同じですが流石に異型の愛を描くのがうまいクローネンバーグ。ラストなんか「ああっ!そ、そんなぁ~」と涙するに違いないぞ。ハエ男になる過程もリアルだが病気でどんどん容姿が変わると仮定すると感慨深いかも。
めぐり逢えたら(1993年、ノーラ・エフロン作品)
1957年の『めぐり逢い』をヒントにしているようなのでリメイクかどうか微妙なんですが。というかこの『めぐり逢い』も二度リメイクされてたそうで(人気なんやね。ちなみにオリジナルは1931年だそうで)。なかなか会えそうで会えないところなんか同じだし登場人物が『めぐり逢い』の大ファンという部分がニクい演出。ラジオを小道具にしているのが好きだな。メグ・ライアンはラブコメの女王と呼ばれてたっけ。
ユー・ガット・メール(1998年、ノーラ・エフロン作品)
先ほどの『めぐり逢えたら』と同じくトム・ハンクスとメグ・ライアンの最強タッグでヒット。これはルビッチ監督の『桃色の店』(1940年)のリメイク。オリジナルは手紙だがリメイクはメール。スポンサーがAOLなんで「ゆーがっとめーる!」とウザイウザイw。オリジナルは「ラストのセリフが洒落てたな」ぐらいしか記憶にありませんがね。
キング・コング(2005年、ピーター・ジャクソン作品)
この作品も有名でピージャクで二度目のリメイク(ちなみに原題は同じですがピージャク版だけ『キング・コング』と真ん中に『・』がつきます)。オリジナルは1933年。LOTR三部作でメジャーになったピージャクが敢えて挑戦したコング。興行的には成功の部類なんだが制作費を差し引くとトントンで前作『LOTR 王の帰還』の約半分くらいの収入なのであまり有名ではないのかも。自分はコングへの愛が感じられて好きだったけどな。愛だろ、愛。
★
あ、バートンの『チャーリーとチョコレート工場』もリメイクだった。
そんなリメイクより僕と踊りませんか?
ではまた( ´ ▽ ` )ノ