そんなことより僕と踊りませんか?

例えば良い物語があってそれを伝える相手がいる。それだけで人生は捨てたもんじゃない(by『海の上のピアニスト』)

午前十時の映画祭で邦画をやるなら絶対に黒澤作品が入ってるよね。名作多いし。

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羅生門』観ました。もう感無量です。いやぁ、50年以上前の作品をスクリーンで見られるとは思ってもみなかったよ。

 

というか・・「黒澤作品なら絶対に『七人の侍』『生きる』『天国と地獄』が入ってるはず」と予想してたのですが。見事に外れましたがなw。ちなみにファン投票でも一番人気あるのが『七人の侍』です。いやあ、あれは完璧でしょう。

 

でも上映したのは『羅生門』。

 

羅生門』(らしょうもん)は、1950年昭和25年)に公開された日本映画である。黒澤明監督作品。モノクロ

当時、映画芸術協会に参加していた黒澤明監督が、松竹で手掛けた『醜聞』に続いて、大映で手がけた作品である。原作は芥川龍之介の短編小説 『藪の中』と『羅生門』。人間のエゴイズム、人間信頼をテーマに、ある殺人事件の目撃者や関係者がそれぞれ食い違った証言をする姿を、それぞれの視点から描いている。

本作の作劇は、「対立する複数の視点から同じ出来事を全く違う風に回想し、真実がどうだったのか観客を混乱させる」という法廷心理劇のような手法が用いられており、これはアメリカや中国など、多くの国の映画やフィクションに影響を与えている。

羅生門 (1950年の映画) - Wikipedia

 法定心理劇ですよね。さすが世界のクロサワ。

 

冒頭の雨シーン。重い雨を表現するために墨汁入りの水を降らせたりいろいろ試したそうで(消防車で放水したと聞いたんだがwikiには墨汁と書いてあったな)。モノクロながらギラギラした太陽を下から映したりいろいろ工夫してます。

 

あんた、「自分の生まれる前の作品(モノクロ)だから」と馬鹿にすると絶対に損しているよ。

 

だって黒澤明が居なかったら『荒野の七人』も『スター・ウォーズ』も出来てなかったかもしれないんだよ(ちなみにSWの元ネタは『隠し砦の三悪人』ね)。

 

 登場人物が極端に少ないのにここまで盛り上げるのは流石だね。世界のクロサワはこうでなくっちゃ。三船敏郎は野生児がよく似合うなぁ。出演者が曲者ぞろい。京マチ子は眉毛を剃ってまでオーディションに望んだからその心意気を黒沢が買ったんだってね(当初は原節子の予定)。

 

杣(そま)売りの「わからん。ようわからん」という台詞から物語はスタート。ここまで登場人物全員の意見が食い違っちゃ誰を信じたらよいのか頭がこんがらがるでしょう。下人(上田吉二郎)の言う「人間っていうもんは自分の都合のいいことばかり考える」は納得。

 

救いがあるラストにしたのが( ・∀・) イイネ!

 

 

人間って悪いところばかりじゃなく良い部分だっていっぱい持ってるんだよ。

そんな三船敏郎より僕と踊りませんか?

ではまた( ´ ▽ ` )ノ