tohoシネマズのごぜじゅう企画で鑑賞。うーん。なんかいいよなぁ。
最初、ストーリーを見るからに「小津安二郎っぽいかな」と思ってたんですよ。市川崑でした(当たり前やろw)。
『細雪』(ささめゆき)は、日本の作家・谷崎潤一郎の長編小説。全編の会話が船場言葉で書かれた作品である(谷崎自身は東京出身)。上流の大阪人の生活を描き絢爛でありながら、それゆえに第二次世界大戦前の崩壊寸前の滅びの美を内包し挽歌的切なさをも醸しだしている。阪神間モダニズム時代の阪神間の生活文化を描いた作品としても知られる。舞台は阪神間だが、本質的には大阪(船場)文化の崩壊過程を描いている。
船場言葉って?と調べたら。
船場言葉(せんばことば)は、大阪市船場の商家で用いられた言葉。昭和中期まで、折り目正しい大阪弁の代表格として意識されていた。大阪弁研究家の前田勇は船場言葉について「大阪弁は庶民的な言語であるというのが通説であるけれども、少なくとも船場言葉にそれは当たらず、船場言葉は、いうべくば貴族的以外の何物でもない。」と評した。
うわぁ。そんなにお上品な言葉なんだぁ。貴族って・・。そういえば劇中の4姉妹の住処は芦屋だものなぁ。鼻血が出るほどお上品。サラブレッドすね。でもベルばらみたいに気位が高いかというかというとそうでもなく。ああ、なんかこの4姉妹はいいよね~。だいたいそんなに兄弟が多いと誰か一人は僻みっぽいのがいて性格が顔に出ているような子も居るのでは?とゲスの勘ぐりしてみたり。
船場言葉なのかどうか知らんが三女・雪子を「きあんちゃん」、四女・妙子を「こいさん」と呼んだり。あと女中を「お久どん」「お春どん」と呼んだり。なんかそんな呼び方も品があっていいんですわ。
それとこの作品を見るとなんとなくこの姉妹の立ち位置や性格がわかっちゃう。
- 長女と次女は仲がいい。
- 次女と四女は感情の爆発させ方がうまいが四女の方が上(しかもスゲー我侭でないところが良い)。
- 長女と三女は感情をなかなか表さないがいつもニコニコしてちくりと刺す長女と「何考えてるんだろ?」という三女は似ているようで微妙に違う。
- 三女は姉妹の中では一番優しい。
こんなことかな。この映画って寡作な部類なんですが「なんかスゲー」のですよ。なんていうか俳優さんが普通にお芝居しているのではなく「役になりきる以上に品格まで出す」という表現がピッタリくるくらい。結構難しいんじゃないかな。方言以上に所作が「ああ、なんてお上品なんざましょ」というくらいなんですから!
この中で「着物って所作が美しくないと映えないもんだなぁってことを実感するよ。今、着物が昔ほど・・っていうのは美しい所作を身につけた人間が少なくなっているからかもしれないねぇ」というコメントがあって。なるほどなぁ~と思ったもの。
岸恵子、佐久間良子のベテラン女優はもちろんのこと吉永小百合(綺麗すぎw)や古手川祐子の着物姿はなんという艶やかさ!花見シーンは必見だよ。絵になるっていうのはこういうことなんだなぁ。
あと着物好きにもオススメ。
★
4姉妹の物語だから男性陣は刺身のツマ的な存在だけど彼らがいなかったら姉妹が引き立たなかったわけで。ええ具合に配役してるなぁ。
そんな薬師丸ピロコに似ている佐久間良子より僕と踊りませんか?
ではまた( ´ ▽ ` )ノ