なんだかジブリの看板は宮崎駿、高畑勲じゃなくて鈴木Pのような気がしてきた。
鈴木：
で、いろんなお話を立ち上げてくからね、「宮さん、これどういう話になっていくんですかね？」ってきいたら、「そのうちわかるはずだ」とか言ってね。
それで、一方では、みんな絵を描いてるんですよ。すると追い詰められるでしょ。その状況で、追い詰められてスリルとサスペンスのなかで、次を生み出すって人なんですよ。
山口：
暗黙のうちに決められたワクがあるじゃないですか。
鈴木：
そんなの全然考えないですよ、あの人。
あのね、千と千尋のときまでは、少しあったんですよね。で、それがブッ飛ぶのが、千と千尋なんですよ。
もう、「物語はいいや」って言って。それで、そうじゃないものを作り始めたんです。
それで、「考えたから聞いてくれる」って言うからね、「いいですよ」って。しょうがないから聞くでしょう。
千尋が名前を奪われて、働かなきゃいけなくなった。そこまでストーリーを作ってきたわけですよ。
「奪った相手は湯婆婆である」と、「こいつをやっつけなきゃいけないんだ、鈴木さん」って言うからね、「まあ、そうですね」って。それで、「やっつけたあと、どうするんですか？」ってきいたら、「実は、やっつけても問題は解決しなかった。なぜなら、彼女は双子で銭婆というお姉さんがいたんだ」って。それで、「これは強大な敵なんで、千尋ひとりの力じゃどうにもならない」と。「だから、ハクの力を借りて、それでやっつけるんだよ」って言われたんですよ。
プロデューサーって「縁の下の力持ち」な感じだったのが。鈴木Pは露出しまくりじゃね？つか宣伝じゃなくてパヤオの首を絞めてるような気もするが・・いいのか？
それはともかく。『風立ちぬ』は満員御礼状態で。宣伝が凄かったし。けっして「ドイツ人のクセにドイツ語下手すぎ。ジャーマン怒っていいレベル」とか「庵野の声はどうよ！パヤオが仲人だから断れないのはわかったから早くエヴァの新作を・・」等とは考えずに普通に鑑賞しましたよ。ええ、普通に。
『ポニョ』よりマシなレベル。『ハウル』よりは面白かったかな。
ま、そんな映画レビューにもなってない考察は置いといてデスネ。
鈴木Pがジブリのネームバリューをこんなにも大きくしたのは事実。初期の作品『ナウシカ』『ラピュタ』『トトロ』は評価高くて誰しも認める作品なのだが興行収入的には「なにこれ？」な『ゲド戦記』や『ポニョ』よりかなーり劣るのです（何故かというと鈴木敏夫がジブリ作品をプロデュースし始めたのは『おもひでぽろぽろ』から）。鈴木Pが他のプロデューサーより才能あるなと思ったのが日テレと手を組んで毎年のようにジブリ作品をテレビで放送したからでしょう。
もともと『ナウシカ』『ラピュタ』『トトロ』はクオリティが高いので人気が出る素質はあったのです（『ナウシカ』なんて上映したての頃は一部のアニメファンにしか盛り上がらなかったし）。それに評論家のウケも良かったし「毎日映画コンクール」などでも何かしら賞を獲っていたし。それを一躍有名にしたのが鈴木Pなのです。『ラピュタ』なんて最近じゃバルス現象なんて起こっちゃうし放送する度に視聴率20パーセント超えなんて「怪物並み」な人気度ｗ。
テレビ放送といったって日テレでしかもゴールデン枠ですからね。出資だって結構あったに違いありません。ローカル番組や深夜枠を狙わなかったのが功を奏したのですね。いまや日テレは「困ったときのジブリ頼み」な感じだし。鈴木Pは先見の明があったのですね。「確実にクオリティが高いのだから宣伝次第で有名になるチャンスがある」って。
それはそれとして。ふと「テレビで有名になったのはネットの世界ではどうだろう？」と考え。「テレビ媒体ってはてブで有名になるのとおなじだよね」「ま、テレビはローカル番組や深夜枠という万人が見るわけではないけど」「でもはてブも一部の人しか活用しないよね」「メジャーでもないけどマイナーでもないし微妙な位置関係だよなぁ」。そんなことをつらつら考えていたらデスネ。
はてブホッテントリにしょっちゅう掲載される有名なブログはジブリが毎年のようにテレビ放映してメジャーになったのと同じじゃないかなぁ・・と。ホッテントリ入りするくらいだから文章のクオリティは高い。しかも常連だとしたら組織票でもっていたとしてもかなりのレベルじゃないかと。つまり「テレビで顔を売る」のと「はてブで有名になる」のはイコールではないのか・・と。異論は認めるが。
陣内孝則が言う「有名になっちゃえばこっちのもんよ」みたいなもんですかね。ジブリだって『千と千尋の神隠し』以降の作品は画のクオリティは凄く高いがストーリーは破綻しまくってるし。
でわでわ。きょうはこれまで。
