そんなことより僕と踊りませんか?

例えば良い物語があってそれを伝える相手がいる。それだけで人生は捨てたもんじゃない(by『海の上のピアニスト』)

いやぁ、やはり名作は色あせないよなぁ。その3

tohoシネマズさんのごぜじゅう企画で『砂の器』鑑賞。ごぜじゅう企画って最初の頃は洋画ばっかりで「邦画にも名作あるのになぁ」と思っていたのですよ。それが企画シリーズ長引いて3、4回目かな?その辺りから邦画も増え。この『砂の器』もすごい人気で何回も上映されるほど。

 

中居正広主演のドラマでやったけどやはり映画には適わないのじゃないかしらん。ドラマ未見なのですがごぜじゅう企画で『砂の器』上映された頃には結構若い層もちらほらで。さすが腐ってもジャニーズ!つか連ドラは10回や11回で映画よりも尺が長いのに映画のほうが人気というのも珍しい。

 

野村芳太郎松本清張の『砂の器』。いや、松本清張原作の作品が多い監督さんだけど脚本家の橋本忍の功績が大きいかと。

 

松本清張は『張り込み』『ゼロの焦点』での映画の出来の良さに惚れ込み橋本忍脚本、野村芳太郎監督で『砂の器』映画化を頼んでいたのだそうで。如何せん橋本忍が原作を「面白くない」と映画化に困難を示すようになり。「でも松本先生の頼みだからなぁ」と断るわけにもいかずとりあえずロケハンで亀嵩まで行ったそうな。

 

それからなんやかやあって脚本に山田洋次も参加して。それから何かインスピレーションを得たのかしらないが数週間で脚本を書き上げ。でも制作会社がどこもGOサイン出さないので業を煮やした橋本忍が自らプロダクションを立ち上げ松竹と折半で製作することになったようです。

 

黒澤明橋本忍の脚本を見て「君らしくもない」と忠告したり(でも忠告どおりに従わなかった結果大成功というのがw)。構想14年という難産で。

 

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砂の器

冒頭の砂遊びシーンから泣いたw。そしてあの音楽。ずるい!

 

大霊界行く前の丹波哲郎も若い。森田健作も若いなぁ。島田陽子綺麗や。緒形拳は制服姿がよく似合ってて格好いいなぁ(制服姿といえば高倉健なんだけどね)。やはり見所はラスト近くの親子放浪シーンなんだけどね。もう泣けるわ。凄まじいわ。父ちゃん・・(号泣)。

 

緒形拳は当初、本浦千代吉の役をやりたかったそうで。でも千代吉は加藤嘉さんでなきゃ。プルプルしながら「こんな人しらねぇ!」言うシーンで涙腺崩壊してたよ。

 

事件を解決しただけではあの親子の宿命を終わらせることはできなかったのね。それにしても子役の目ヂカラときたら黒木メイサもびっくりだよ。

 

 

こないだ地上波で『祈りの幕が降りる時』見たのだけど演出がほとんど同じなのね(もともと原作が「東野圭吾版『砂の器』だ」言われてたし。狙ったのかな)。その日の裏番組に『君の名は。』やってたんだけど迷うことなく『祈りの~』を見ましたよ。『砂の器』と 見比べても面白いかも。