そんなことより僕と踊りませんか?

例えば良い物語があってそれを伝える相手がいる。それだけで人生は捨てたもんじゃない(by『海の上のピアニスト』)

裸の島。

この映画は人を選ぶと思う。小津安二郎作品みたいに。

 

coco.to

ツイート2件というところが(汗)。モノクロだし淡々とした日常だし小津作品のように無駄に見えて計算され尽くしたショットだし。

 

というか台詞一切ないのですよ。あまりにも淡々としているので若い人には飽きられちゃうかと(小津作品も同じ)。でも歳を重ねるうちにボディブローのようにこういう作品がじわじわくるのですよ(小津作品も同じ)。あーなんかわかるなー。あーなんかよいなー。

 

受賞[編集]

 このように海外では高評価。やったねw。

 

こないだ亡くなられた赤木春恵さんは「肝っ玉母さん」みたいで好きなんですが。今作主演の乙羽信子さんも同じように安定感のある女優さんで。なぜか乙羽さんは「安心できる」のだよ。そういうオーラがあるの。演技力以前に。

 

乙羽信子さん同様、旦那役の殿山泰司さんも存在感ある役者さんで。名脇役で活躍してたのだが出演作品(映画だけでなくテレビドラマも)が半端ない。すげー。

 

セリフが一切ない演出(2回だけ声を張り上げるシーンがニクい)なんですが。ふと思い出したのがこないだ見た石ノ森章太郎センセの半生ドラマ。トキワ荘時代にセリフのない漫画を描いたら手塚先生に批判されたというシーンがあり。ぢつは手塚先生がこの才能に嫉妬してしまって「こんなの漫画じゃない」と書評書いてしまって直接謝りに来たというもの。

 

漫画の神様でも嫉妬するんだなぁ。

 

 

やはり年取ると「脂っこい食べ物が苦手になる」ように「ジワジワくる映画も好きになる」んだなぁ。なんの事件性なくとも「あー。なんかいいなぁ」と思えるもの。ほっこりするような映画じゃないけどね。『裸の島』は。