地獄でした。人間の狂気をここまで描くとは流石コッポラ。
ローレンス・フィッシュバーンやハリソン・フォードも出てたのね(ハリソンくんはSW撮影の為ちょい役)。ベトナム戦争の映画は多いけどこれまた凄い。どちらかというとテレンス・マリック作品『シン・レッド・ライン』(1998年)に近い。
映画の完成が遅れるに伴って、映画の制作費も当初の予定を大幅に上回る結果となった。最初の予算は1200万ドル(当時の日本円で約35億円)だったが、実際に掛かったのは3100万(約90億円)だった。そのうち、1600万ドル(約46億円)は、ユナイテッド・アーティスツ社が全米配給権と引きかえに出資したが、残りはこの映画を自分の思いのままに作りたかったコッポラが自分で出した。資金の一部は、日本の配給元でもある日本ヘラルドから支援されたともいわれる。
かなりの難産だったのか。つか『地獄の黙示録』の後に制作された『ディア・ハンター』(同じベトナム戦争を題材にした映画)が先に公開されたというのはどうよ。
それにもかかわらず映画は大ヒットしたので巨額の制作費を無事に回収することができたんだって(ちなみにアメリカとカナダの興行収入は8347万ドル)。流石コッポラ。
で、なんでこんなに遅れたかというと。
- ウィラード大佐役のハーヴェイ・カイテルが降板
- ロケはフィリピンで行われたが当時、ゲリラとの内戦のためにフィリピン軍からヘリや戦闘機を借りられずスケジュールが乱れることになる
- マーチン・シーンが撮影途中で倒れる
- 報道写真家役のデニス・ホッパーは麻薬中毒でセリフも覚えられなかった
- マーロン・ブランドが激太りで設定を変えざるを得ない状態になった
ほかにも出るわ出るわ。心労のためコッポラは倒れたとか。それでも大ヒットさせたから流石コッポラ。巨匠は違うなぁ。
ビル・キルゴア中佐(ロバート・デュバル)の台詞「朝のナパーム弾の臭いは格別だ」が凄い。『フルメタル・ジャケット』の「逃げる奴は皆ベトコンだ。逃げない奴はよく訓練されたベトコンだ」と遜色劣らず。戦争の狂気が出てるなぁ。皮肉屋さんはキューブリックだけかと思ったらコッポラもやるなぁ。
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チャーリー・シーンはお父ちゃんそっくりだね!お兄さんのエミリオ・エステベスは似てないけど。つか最近この兄弟、あまり見てないような気もするが(汗)。