そんなことより僕と踊りませんか?

例えば良い物語があってそれを伝える相手がいる。それだけで人生は捨てたもんじゃない(by『海の上のピアニスト』)

ノーラン監督は昔のスピルバーグと拘りのキャメロンを足したような感じだな。

coco.to

凄かった。史実なんだけどオムニバス形式で話を進める(ノーラン作品は時系列がズレるの多いんですよ)のは戦争映画でそうそうないのでは?編集が見事。それにハンス・ジマーの煽るような音楽が拍車をかける

 

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町山智浩)コンピュータグラフィックス(CG)が大嫌いなんです。CGを使わないというのがこの人の主義で。『インセプション』は一応使ってはいるんですけど。たとえば『インセプション』の中で列車が普通の道路に飛び出してきてアクションになるというところは本当に列車にタイヤを付けて、普通の道路を走らせたりしていますし。『バットマン』で『ダークナイト』で有名な巨大トレーラーがシカゴの街でひっくり返るシーンがあるんですけど。あれも本当に巨大トレーラーをひっくり返しているんですよ。

拘ってますな。さすがノーラン。制作費も1億ドル(『プライベート・ライアン』が7000万ドルなので戦争映画としては高めでしょうか)。こだわったのは本物の戦闘機を使ったからなのですね(レンタルなんだって!)。

 

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10位「ホビット」(2012)制作費:2億5,720万ドル(257億2,000万円)
9位「アバター」(2009)制作費:2億6,100万ドル(261億円)
8位「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」(2006)
制作費:2億6,370万ドル(263億7,000万円)
7位「ウォーターワールド」(195)制作費:2億7,130万ドル(271億3,000万円)
6位「ハリー・ポッターと謎のプリンス」(2009)
制作費:2億7,530万ドル(275億3,000万円)

 でも破格値というわけでもなさそうです。拘っているが割と抑えた感じですか。

 

で。記事タイトルのようにノーラン監督はスピルバーグやキャメロンと似ているところがあるのです。

 

スティーブン・スピルバーグ

一昔前のスピルバーグはお気に入りの俳優を多用しないので有名だったのです。何故かというと人気になると出演料が高くつくため(リチャード・ドレイファスが最多の4回かなぁ?)。その分をSFXに当てていたのだ。賢い奥さんみたいですね。人気俳優を主役ではなくちょい役にすると拘束時間も短いので比較的制作費も安く抑えられるみたい。でもスピちゃんは『シンドラーのリスト』で念願のアカデミー賞を獲ってから変わってきたけどね。

ノーランは「ノーラン組」と呼ばれるマイケル・ケイントム・ハーディクリスチャン・ベール等多用する俳優さんいるのでスピちゃんとは微妙に違うか。でも「賢い主婦さん」は同じw。

 

ジェームズ・キャメロン

「キャメロンを超えるのはキャメロンしかいない!」と言われるほどのヒットメーカーですよね。ターミネーターはシリーズ化されてるけど未だに『T2』を超えるるほどの作品はないもの。キャメロンはヒットメーカーでもあるけど拘りのあまり制作費を使いすぎるのでそんなに沢山の映画を輩出していません。『タイタニック』なんて船内の装飾品が豪華絢爛だったもの(ジャックとローズの恋愛模様よりも沈没するというのに演奏し続けた楽団に泣いた)。

ノーランのこだわりはCGをあまり使いたがらないこと。1970年代後半の『未知との遭遇』『スター・ウォーズ』のような手作り感むんむんのSFXに拘るということですかな。今作の『ダンケルク』では本物戦闘機を使用するという拘り。

 

★★

 

この作品の魅力を端的に言うならダンケルク』はノーラン監督の作戦勝ちですかね。

 『グラディエーター』ではコロシアムの観客をCGで満員御礼状態にしたのに対し『ダンケルク』は兵士の写真を立てる(舞台の小道具みたい。遠目でわかんないしな)というアナログさ。これが「賢い奥さん」やねw。

 

ストーリーは先ほどの町山智浩ラジオ書き起こし記事を読めばわかると思うけど主人公3人のエピソードから成ります。同時進行で話が進むので画面を三分割にすればいいと思うがそうしたら頭がこんがらがるしな。やはり時間軸がズレまくっていました(ノーラン監督お得意だよね)。編集の妙かな。

 

それに舞台のダンケルクは遠浅の海岸地域。つか潮が引いたら船座礁しちゃうやん。避難船に並ぶ兵士たちが疲弊しきってますなぁ。これ何のアトラクション待ちですか?つーくらいな人だかり。

 

町山智浩さんが言ったとおり「アトラクション」ですな。船に乗っちゃドイツ軍に襲われ沈没し、やっと海から上がってまた新しい船に乗ったらドイツ軍に襲われ・・というえんどれす。セリフも極端に少ないからビジュアルで観客に訴える訴える。共感・共有のSNS世代にはもってこいの作り。ノーランやるな。

 

 

そんなダンケルクより僕と踊りませんか?

ではまた( ´ ▽ ` )ノ