そんなことより僕と踊りませんか?

例えば良い物語があってそれを伝える相手がいる。それだけで人生は捨てたもんじゃない(by『海の上のピアニスト』)

おしゃれ泥棒。

「おかしな感じがする。僕の職業では珍しいことなんだが、君は完全に信頼できる人のようだ」

「あなたは頭が変よ。私におやすみのキスをしたいんでしょう」

  coco.to

満足度100パー。こないだ見た『昼下がりの情事』は「なんだよ。この邦題は(怒)」と思ったが。今回の邦題は大満足。だってお洒落だし(ちなみに現代は『How to Steal a Million』)。

 

ジバンシィの本気はこんなもんじゃないぜ」と言わんばかりのゴージャスさ。会話も演出も何もかもおしゃれ。さすが巨匠中の巨匠ウィリアム・ワイラー!この頃のオードリー様は『ローマの休日』の時とは違いネームバリューで客も呼べるほど有名になったのでクレジットは「どどーん」と一番最初(共演は『アラビアのロレンス』なのにw)。

 

シャルル・ボネ(ヒュー・グリフィス)は美術の愛好家であり収集家である。また美術品を美術館に寄附する篤志家でもある。さらに時々はコレクションの一部を競売に出す。実を言えば、ボネは偽作の天才なのだ。ブローニュの森の近くにある彼の大邸宅内には、秘密のアトリエがあって、彼は自ら偽作をしているのだ。彼には1人娘のニコル(オードリー・ヘップバーン)があるが、彼女は父親の仕事を止めさせようと、いつも胸を痛めている。パリ一の美術商ド・ソルネ(シャルル・ボワイエ)は、得意客のボネが、どうしてあんなにコレクションがあるのか、いつも不思議に思っていた。もしかするとあの傑作はニセモノでは……というわけで、私立探偵シモン・デルモット(ピーター・オトゥール)に万事を頼んだ。ところがヘマなシモンはニコルに見つかり、苦しまぎれに自分は泥棒だ、といったが、何故かニコルは彼を警察に引き渡さなかった。ボネが所有している美術品中の逸品はチェリーニのビーナスだが、彼はそれを美術館に出品するという。しかし、もし偽作だと分かったら大変と、ニコルはシモンに頼んでまんまと盗み出してしまった。ここにリーランド(イーライ・ウォラック)というアメリカの美術収集家がいた。彼はビーナス欲しさに政略結婚を考え、ニコルと婚約を結んだ。そしてド・ソルネのあっせんでシモンと会見したが、シモンは3つの条件を出した。第1は売価が100万ドル、第2はすぐに国外へ持ち出すこと、第3はニコルとの婚約を取り消すことー。ビーナスさえ手に入ればと、リーランドはすぐにこの条件を承知。うまく100万ドルをせしめたシモンは、いつしか恋仲になったニコルと駆け落ちしてしまった。

 先ほどのcoco映画レビューにリンクしてある『映画.com』のストーリー紹介をコピペしたのだが。( `・ω・) ウーム…微妙に違ってる。シモン(ピーター・オトゥール)は私立探偵ではないし美術収集家はビーナス欲しさに政略結婚を考えたというのは嘘。ニコル(オードリー・ヘプバーン)が自分に気があると勘違いして求婚したのだがw。

 

ビーナスの売値は100万ドルというのも嘘でアレは売るつもりはなく美術館に貸し出した時「事故があったときに100万ドルを払う」という保険を掛けただけ(これがビーナスを盗むきっかけになる)で微妙に違う。何もかも微妙づくし。澪つくし

 

この作品のストーリー説明はこの映画サイトだけでなくいろんなところで微妙にブレてますな。こういうこともあるんだぁ。大筋はあっているんで「ま、いっか」なところが大きいが(オードリー様のオシャレっぷりを堪能するだけでアガる)。

 

劇中でシモンが泊まっているホテルの窓からブーメランを試しに投げてみるシーンあるのですが。「あ、この鉄塔見覚えがある!」。こないだ見た『昼下がりの情事』で私立探偵のパパがパパラッチしていた塔なんです。ああ、実際にあるのかぁ(セットじゃなかったのね)。あれは日本でいう火の見櫓みたいなもんかな?

 

こういう演出もオツなもん。ちなみにビリー・ワイルダーウィリアム・ワイラー監督はよく間違えられるのでお友達になったそうです。職人監督というのも似てるし。

 

テンポよくて飽きさせない演出は流石でした。お父さん役のヒュー・グリフィスがどうしてもオードリー様に似てないのはご愛嬌。実際にアルジェントの娘アーシアがおとうちゃんに似ず美人(お父ちゃんガイコツ顔なのにw)だから有りかもねー。