そんなことより僕と踊りませんか?

例えば良い物語があってそれを伝える相手がいる。それだけで人生は捨てたもんじゃない(by『海の上のピアニスト』)

『LOGAN/ローガン』は劣化してなくてほっとしたでござるよ。

近未来という設定の中、ローガン自体は劣化した(年取った)ということになってるのですが。不死身のローガンが何故?と思ったら体内にあるアダマンチウムにより代謝機能が劣化したのだそうで。水銀みたいなもんか(違)。

 

この『X-MEN』シリーズはスピンオフ含め「あまり劣化しない」ので気に入ってたのだが。流石にシリーズ長すぎて(しかもハリポタのように忘れた頃に続編というわけでもなく)辻褄合わせに必死なんじゃ?と思える作品『X-MEN:アポカリプス』もあったり。

 

しかもスピンオフの前作『ウルヴァリン:SAMURAI』なんて劣化しまくってるし(SAMURAIのことは忘れてください)。それに今作はSAMURAIと同じ監督(ジェームズ・マンゴールド)なんだよ!監督が同じだとは後で気づいたが。「あの劣化はどうしてくれるんだよ(怒)」と不安になりながらも臨みましたよ。

 

coco.to

なかなか高評価で。ヒュー・ジャックマンのローガン役はこれが最後ということで大ヒット。感無量です。

 

映画はローガン登場シーンから「あれ?いつもと違うな」雰囲気を醸し出しています。ドライバーで生計を立てているようですが車泥棒に逢いしかもボコられます(汗)。映画は劣化してないけどローガンは劣化してんのね。爪出して追い払うもなんか辛そう。

 

それに老眼でメガネをかけるローガン。あんな強気な一匹狼が・・シャレにならない。こういう格好悪いウルヴァリンも女性ファンからすれば萌え要素になるんでしょうね(ヒュー・ジャックマンやし。「嗚呼、アタシが守ってあげたい」ってw)。

 

全体的には王道路線なんですが特に前半のトーンが「どよ~ん」と重いです。現実味おびすぎて今までのようにアメコミ原作だからとノリで見ると痛い目にあいますw。いつものX-MEN』と違うのはミュータントが極端に少ない(この監督さんのSAMURAIは敵キャラのミュータントはひとりだけやし)。今作のミュータントはタイトル通りローガン。それにチャールズ(パトリック・スチュワート)とキャリバン(スティーブン・マーチャント)。そしてこの作品のキーでもある少女ローラ(ダフネ・キーン)。

 

なんやかやあってラボ(研究所)から逃げ出したローラを仲間のいる安全な地エデンに送り届けるローガン御一行。ローラがウルヴァリンと同じタイプのミュータントであることがわかるのですが。流石に父娘という設定だけあり。

 

ローラ強すぎ。子供だからすばしっこいし。「ヒット・ガール超えた」というツイートもチラホラあったなぁ。格好良すぎて鼻血がでらぁ。ウルヴァリンみたいにアダマンチウムの爪を持っているので成長できるのかなぁ(老婆心ながら)。

 

エデンの地に行くまではローガン、チャールズ、ローラと爺父娘のロードムービーでした。これも王道で旅先で出会った人と知り合いになるも敵に殺されちゃいます。怒り心頭のローガン。でも普通に倒れちゃったりしてます。代謝能力がなくなりつつあるからかなりヤヴァイ。

 

なんとかその場はごまかして。エデンに辿り着き。そこではラボから逃げ出したミュータントたちが隠れるように暮らしています。そこに敵がやってきてまたもや王道路線。もはやパターン化してますがな。あとは皆さんご存知のとおり「少年ジャンプ的ココロ」発動ですよ。

 

★★

 

このX-MEN』シリーズはアメコミながら「マイノリティであることの悲哀」もしっかり描かれてるのが普通のヒーローものとは違うのですよ。そこんところが好きなんだけどね。でもシリーズ長すぎたのか辻褄あってないことが多く。今作では

 

  • 前作SAMURAIでウルヴァリンは変な金持ちジジィに兜ロボットみたいなのに能力奪われた(失敗したけど。それでもアダマンチウムの爪は無くなってた)。
  • SAMURAIで夢の中でジーンが出てくる(3作目でウルヴァリンはジーンを殺している設定)けどフューチャー&パストで過去を変えたからジーン復活したんじゃ?それじゃ「愛する人をすべて失う」とは言わないよね。
  • チャールズがローガンと最初に出会った話をするが。あれは1作目でしょ。ファーストジェネレーションではスカウトした(「おととい来やがれ」と言われる)んじゃなかったっけ。

そんなもんかな。ま、いいじゃないの。映画なんだしw。面白ければそれでいいのです。

 

 

このジェームズ・マンゴールド監督は今までのわらわらミュータントが出る映画よりも「人の生死」について描きたかったのだと思います。どうも後半はバートン作品『ミス・ぺディグリンと奇妙な子どもたち』思い出しちゃうよw。

そんなウルヴァリンより僕と踊りませんか?

ではまた( ´ ▽ ` )ノ