ヒッチ作品の中では3本の指に入るくらい傑作なのに何故か満足度100パーセントにならないという不思議。でもこれは見る人の総数が増えたからであって至って普通なのかもね。感性は人それぞれやし。
それよりも。tohoシネマズさんのごぜじゅう企画がかなり当たって今回は第8回目という人気シリーズ。ま、映画評論家たちが選ぶだけあって面白い作品のオンパレードなんだけどさ。10分前に行くと余裕で席が取れたのだが結構人気度高くて今や満員御礼状態という有様。映画ファンからすれば喜んでいいんだか微妙な感じでw。
だからね。先ほどの『裏窓』評価が100パー満足でなくとも「ああ、ごぜじゅう企画の認知度はかなり上がったんだなぁ」ということくらいしか思いつかず(なぜならごぜじゅう企画の作品はあんまり書き込みなかったので)。確かに自分の好きなものを否定されるのは嫌ですが「そういう考えもあるんだなぁ」と生温かい目で見てます。
★★
前置きはこのくらいにしてレビューいってみましょう。主な登場人物は主人公ジェフ(ジェームズ・スチュワート)と彼の恋人リザ(グレース・ケリー)と通いでくる看護婦のおばちゃんステラ。このおばちゃんがまたいい味出してるんだ。もはや舞台劇でも充分なのでは?と思えるくらい(ちなみにヒッチ作品では舞台劇ぽいのもあります)。
まずジェフが足を骨折して身動きの取れない状態というところから映画がスタート。何もすることがないから窓から向かいのアパートを眺めるしかない。この設定の面白いところはジェフは報道カメラマンなので望遠レンズで覗く覗くw。アパートには今のように冷房なんて設備がついてないので全世帯窓を全開にしっぱなし。
アパートには音楽家もいればダンサーもいるわ新婚さんも入居してくる。これはもう覗き見ファン(そんなのいるの?)からすれば格好のネタ。テレビのザッピングみたいにあちこちカメラ(または双眼鏡)を移動させればいいんだから。
ジェフのお気に入りのチャンネルは夫婦喧嘩が絶えない部屋だったのね。それがある日、寝室の窓が閉じている。だんなは荷造り。「これはちょっとおかしいのでは?」と妄想をかきたれられるジェフ。旦那が奥さんを殺したシーンなんか目撃したわけではないのだからあくまでも想像。でも旦那の行動がおかしい。周りの人間や恋人でさえもジェフの言葉を信じません。当たり前ですがな。
このストーリー中盤から俄然面白くなります(最初から恋人とのおしゃれな会話で面白かったのに!)。ジェフは骨折で身動き取れないもんだからリズが部屋に忍び込んで証拠を探したり・・「ああ、旦那が帰ってくる~」とハラハラドキドキ。この盛り上げ方はさすがヒッチコックです。サスペンスの神様です。
このドキドキ感を最後まで持続させるのは相当な力量がないとダレますね。本当にヒッチは小道具の扱い方が上手いなぁ。オチもgoodですね。
★
窓が全開なのは中庭に面しているからなんだね。グレース・ケリーが笑っちゃうほど綺麗(爆笑太田が言ったこの表現は好き)でした。