そんなことより僕と踊りませんか?

例えば良い物語があってそれを伝える相手がいる。それだけで人生は捨てたもんじゃない(by『海の上のピアニスト』)

ごぜじゅう企画の中で「これだけは譲れない!」というのを30本選んでみたよ。

だいたい年末になると「今年見た映画ベスト10」なんか記事にしているブログよく見かけます。自分も書こうと思ったけど最近はtohoシネマズさんの「午前十時の映画祭」もチェックするのであんまし沢山見てないし。

 

そこで。ごぜじゅう企画で見た名作・傑作の中から「これは激オススメ」というものをベスト10形式にしてしまおうかと。でもごぜじゅう企画って映画評論家たちがあーだこーだ相談して決めるからどれも名作ぞろい。ベスト10なんて決められない!どれも素晴らしいんだから(一部除く)。

 

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それで10作品だけでもと思ったが今年見た作品で素晴らしいのも結構多く。しかもまだ企画続いてるし(ちなみに今年は「午前十時の映画祭7」。そんなにやってたのか)。じゃあ、今までごぜじゅう企画で見た作品を30作品選ぼうと考えたんだけど。

 

112本も見てました(coco.映画レビューサイトで書いてたんだけど漏れてたのもあるので実際はもっと見てるかなぁ)。その中から選びに選んで「これだけは見とけ!絶対損はさせないから」というのを。ま、感性は人それぞれなんで絶対は有り得んだろうけどw。

 

では。いってみよう!ちなみに「あいうえお順」です。

 

赤ひげ(1965年)

最初のごぜじゅう企画は洋画のみだったんだけど最近は邦画も上映するようになり。天下のクロサワ映画はどれも面白いねぇ(特に初期の頃)。赤ひげ先生の三船敏郎は似合いすぎ(モノクロ映画なのに本当にヒゲを染めたそうで)。共演の加山雄三はこの作品で役者になる決意をしたのだそうです。

 

アパートの鍵貸します(1960年)

ジャック・レモンの演技達者なことよ。シャーリー・マクレーンのコケティッシュな可愛さといったら。この作品がおしゃれだなぁ。ビリー・ワイルダー作品はオチも見事だよね。

 

アマデウス(1985年)

 映画と演劇というのは非常に相性がよくって。映画がヒットすればお芝居が出来ますね(例えば劇団四季とか)。この作品はお芝居の映画化。F・マーリー・エイブラハムさんは演劇でも同じサリエリ役だったとか。どーりで上手いわけだ。モーツァルトの楽譜を見て(天才と凡人の差を見せつけられたようで)愕然とする演技は流石だ。

 

雨に唄えば(1952年)

ミュージカル映画で最も好きな作品。オープニングの3人が黄色いレインコート着て踊っているシーンだけでもう1本作れるのでは?と思うくらい。主役のジーン・ケリーはもとよりドナルド・オコナーさんのアクロバッティングなダンスは必見!

 

生きる(1952年)

黒澤ファンの中で2番目に人気のある作品(もちろん1番人気はアレw)。志村喬ただもんじゃねーなーと思った。病院のシーンから存在感を増し出してはんぱねぇ。ただでさえ大きな目なのにギョロッとさせて涙ぐみながら「命短し恋せよ乙女♪」と歌うシーンは圧倒される。

 

裏窓(1954年)

「サスペンスの神様」とまで言われるヒッチコック監督の作品。ヒッチってこんなに有名なんだけど賞には無縁なのね(サスペンスやホラーの評価はなんと低いことよ)。才能をたっぷりかけたヒッチ作品の中ではこの『裏窓』が特に好きかなぁ。グレース・ケリーが笑っちゃうほど綺麗でした。

 

麗しのサブリナ(1954年)

オードリー様の代表作品は数あれど自分は『ローマの休日』より好きな部類だなぁ。テンポいいし。「お月様(憧れの人)に手を出しちゃいけないの」「今はロケットで月に行ける時代さ」なんて会話がおしゃれ。それにファッションも。彼女は結構おじ様キラーな役が多かったよなぁ。

 

エイリアン(1979年)

「宇宙ではあなたの悲鳴は誰にも聞こえない」というコピーが秀逸。このシリーズ(4作目まで)は「あげまん」映画だよなぁ。監督もシガバー(シガニー・ウィーバー)も有名になったし。いまだにドキドキ感は薄れないというのは名作たる所以。リドリー・スコット監督は『プロメテウス』で大風呂敷広げすぎちゃったけどねw。

 

エデンの東(1955年)

嗚呼!曲を聴いただけで涙が出てくるパブロフの犬状態。主演のジェームズ・ディーンは日本ウケしやすいのかすごく人気あったよなぁ。捨てられた子犬のようなどことなく寂しそうな目をするのよ。芸歴はたったの4年なのに不慮の事故で他界(24歳とは若すぎる)。もはやレジェンドかと。しかしディーンというと小森のおばちゃま思い出しちゃうんだよなぁ。

 

お熱いのがお好き(1959年)

マリリン・モンローが地下鉄の通気口に立ち、白いスカートがふわっと浮き上がるシーンに「ぷぷっぴどぅ♪」というモンローの歌が被る映像あったような気がするけど白いスカートが浮き上がるのは『七年目の浮気』で歌(I Wanna Be Loved by You)は『お熱いのがお好き』です。ああ、編集マジック。

 

風と共に去りぬ(1939年)

当時、飛ぶ鳥を落とす勢いのMGMが社運をかけた超大作。なんせ「聖書の次に読まれた」ほどの超大ベストセラーが原作なんで相当プレッシャーはあったかと。武器庫炎上シーンも全てセットなのが凄すぎ。主演のビビアン・リーはスカーレット役のために生まれてきたの?とも思える位。「明日のことは明日考えよう」は鼻血が出るくらい有名なセリフだけど第一部ラストの「神様、たとえ盗みをしても人を殺しても私は決して飢えでは泣きません」というセリフが凄い。

 

飢餓海峡(1965年)

三國連太郎は『釣りバカ日誌』のスーさんしか知らない人は見ろ。絶対見ろ。あまりの演技力に圧倒されるから。さすがは佐藤浩市のおとうちゃんだね。この作品はキャストがすごくよくて(特に左幸子の健気さ。つかあそこまで引きずるのは怖いわ)。脚本も良く出来てるしなんといっても人間に潜む悪の演出。これは流石だ。

 

キャリー(1976年)

スティーブン・キング原作(しかもデビュー作)。ブライアン・デ・パルマ監督をこの作品から知りました。さすがにヒッチコキアン(ヒッチコック崇拝者)だけあるねw。あのドキドキする演出は未だに色あせず。リメイクされたけど足元にも及ばないよ。主演のシシー・スペイセクはこの作品からいろんな映画に出るようになり。超能力使ったんじゃないの?

 

恐怖の報酬(1953年)

主演のイヴ・モンタンを不動の地位に付かせたのがこの作品。前半はたらたらとしていたが中盤の採用試験から後半にかけて一気に盛り上がる。灯油缶(のような容器)にニトログリセリンとは・・いくらしっかり固定しているとはいえ危ないなぁ。さすがにおフランス映画らしいラストで。

 

サウンド・オブ・ミュージック(1965年)

教科書的なミュージカル映画。鼻につくがそれでも憎めない作品。ジュリー・アンドリュースはもとより脇キャラも魅力的。そしてなんといっても子供たちの可愛いことよ。歌も『ドレミのうた』は有名すぎるほど。『私のお気に入り』がお気に入り。『もうすぐ17才』も好きだなぁ。

 

サンセット大通り(1950年)

この作品と『イヴの総て』は映画好き、お芝居好きな人は必見(ちなみに同時期に公開されたので『サンセット~』はアカデミー3部門、『イヴ~』は6部門受賞)この『サンセット~』は脚本家と元銀幕スターの物語。グロリア・スワンソンの女優オーラが凄すぎだ。監督のビリー・ワイルダーは引退した女優にオファーしたのだが片っ端から断られる中スワンソンが承諾したのだとか(監督自身もビックリしたって)。

 

七人の侍(1954年)

これは完璧な作品でした。キャストから脚本、演出までどれも素晴らしい。ファンが選ぶ作品の中でも1番人気なのは当然かも。半世紀以上経ってもこれを超えられる作品はお目にかかったことがない(誰か教えてくれ!)。ストーリー後半、菊千代が野武士に襲われた母親から赤子を受け取って「こいつは俺だ!」と泣き叫ぶシーンが特に好き。

 

シャレード(1963年)

タイトルの意味は「謎解き」。ヘンリー・マンシーニの音楽で始まるタイトルロールからしておしゃれ。オードリー様といえばジバンシージバンシーといえばオードリーというくらい着こなしています。女性人気が高いわけだわ。当時のウォルター・マッソーは悪役が多かったんだね。

 

十二人の怒れる男(1957年)

当時の監督といえば助監督から積み上げてきてる映画畑の人が多かったのに対しシドニー・ルメットは舞台やテレビドラマの演出家(ニューヨーク派と言われたそうです)。そのルメットの気骨あふれるデビュー作。ディスカッションだけでこんなに盛り上がる演出は流石だ。三谷幸喜も『12人の優しい日本人』で大いにパクって(インスパイアされて)ます。

 

情婦(1957年)

いやぁ、ビリー・ワイルダー監督ってジャンルの幅広いよねぇ。オチもうまいしなぁ(ちなみに一番好きなオチは『お熱いのがお好き』)。この作品のタイトルは淫靡な感じだが原作はアガサ・クリスティの法廷もの。原作者も褒めたというのも珍しいかも。あまり有名じゃないけど「掘り出し物」だった。

 

砂の器(1974年)

ごぜじゅう企画は観客からも人気のある作品は何度も上映されるんです。最初は洋画のみだったんだけど3回目か4回目あたりから邦画もぼちぼち上映するようになり。この『砂の器』はよく上映されるという人気作。しかも中居正広主演でドラマ化されたもんだから若い子も見に来るようになり。普通、ドラマは尺が長い分映画よりも評判いいのですがこれは完全に映画版の勝ちです。親子放浪シーンは何度見ても泣ける・・

 

太陽がいっぱい(1960年)

アラン・ドロン出世作ニーノ・ロータの音楽が素晴らしい。おフランス映画ならではの一気に突き落とすオチは最高。『リプリー』(マット・デイモン主演)は『太陽がいっぱい』のリメイクだと思ったらインタビューでアンソニー・ミンゲラ監督が怒ったそうで。原作者が同じだから誰でもリメイクだと思うわな。

 

ニュー・シネマ・パラダイス(1988年)

これも人気が高い作品。しかも何度も上映するし。ジュゼッペ・トルナトーレ監督の華麗なるデビュー作。映画好きのためにあるようなもんです、はい。村には映画館しか娯楽がないもんだから毎日見に来ている客がいたりみんな目をキラキラさせてるのよ。ああ、なんかいいなぁ。名言もたくさん。ラストは「来るぞ来るぞ」と身構えててもやはりキタ━(゚∀゚)━!

 

幕末太陽傳(1957年)

これは穴場。あまり期待してなかった分、面白い面白い。いろいろな落語をつなぎ合わせたストーリーになっているので落語ファンにも楽しめるかと。こんな面白い作品だけど撮影当初は日活上層部から「うちの看板スターの扱いが悪い(ちなみに石原裕次郎が脇役)」「タイトルが悪い(太陽族のイメージが強いため)」等とクレームがあり川島監督はこの映画を境に日活から東京映画に移籍したそうです。

 

バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年)

「大ヒットしている『君の名は。』の魅力がわかんない。どこが面白いの?タイムパラドックスの概念がムチャクチャ・・」というレビューも見かけます。そういう人は多分BTTFが好きなのかも。というかBTTFはタイムパラドックスの概念をものすごくわかりやすく映像にしたのですよ。『君の名は。』のヒットはディズニーのアナ雪と同じようにそういう「?」も気にならない人たちがノリで突っ走った感じなのかと。

 

薔薇の名前(1987年)

ミステリー好きには堪らない逸品かと。物語は1327年、北イタリアにあるカトリック修道院で起こった殺人事件の謎をフランシスコ会修道士のウィリアム(ショーン・コネリー)と彼の弟子アドソ(クリスチャン・スレーター)が解き明かすというもの。もう雰囲気バッチリですよ。この修道院という閉鎖感。迷宮図書館。小道具から生活習慣まで細部にわたって拘っているなぁ。

 

羊たちの沈黙(1990年)

ジョディ・フォスターアンソニー・ホプキンスの為にあるような映画。心理的にもグッとくる。『薔薇の名前』とは違う雰囲気が漂う。ショーン・コネリーにオファーが来たが断られ第二候補であるホプキンス様がレクター役をゲット(ちなみにクラリス役はミシェル・ファイファーに断られてジョディになったとか)。これは凄かったなぁ。クラリスが殺人鬼のアジトに偶然居合わせたシーンはドキドキ。

 

ライムライト(1952年)

「意味を求めちゃいけないよ。人生は欲望だ。意味などどうでもいい」「人生に必要なもの。それは勇気と想像力、それとほんの少しのお金だ」「クラゲだって生きがいはある」。まるで名言の総合商社やぁ。チャップリンの作品でも鼻血が出るほど有名ですね。音楽「テリーのテーマ」も素晴らしいし(未だに映画音楽特集などで流れるし)。でも一番好きなチャップリン作品は『街の灯』『キッド』。

 

ラストエンペラー(1987年)

巨匠ベルトルッチ監督の骨太「人生は波乱万丈」映画。大河ドラマって幼少期の頃が特に面白いのだが流石ベルトルッチ。青年期の溥儀(ジョン・ローン)も捨てがたい。紫禁城の初ロケということで話題になった。紫禁城の敷地から出られず母親の葬儀にも出られないというのはキツイなぁ。坂本龍一の音楽は戦メリよりもこちらのほうが重厚で好き。小道具として馬鹿でかいコオロギ(あんなの中国にいるの?)を最初とラストに持ってくるなんて憎い演出だ。

 

ロシュフォールの恋人たち(1967年)

やだ、なにこれ楽しい。「おフランスミュージカル映画か・・ 」と馬鹿にしていた自分がバカでした。ごめんなさい。カトリーヌ・ドヌーヴの姉役として共演したフランソワーズ・ドルレアックは本当のおねえちゃんだとか。どーりで似ているわけだ。いろんな楽器持ち出して姉妹で歌う様はウキウキする。脇キャラも結構豪勢でジーン・ケリージョージ・チャキリスも(これはすごい)。『ニュー・シネマ・パラダイス』で成人したトト役のジャック・ペランは若い頃すげーイケメンだったのね。美形すぎ。

 

★★

 

無理して30本に絞ってみました。本当はもっと紹介したーい!

そんなチャキリスより僕と踊りませんか?

ではまた( ´ ▽ ` )ノ