タイトルを「愛情と欲望が渦巻く映画」にしようか迷ったんだけどね。ま、どっちにしろアクセス据え置きなんだけどさ(最近更新してないしw)。
満足度高し。どうやら残りのパーセンテージは全て「普通」評価。つまり自分に合わないということで皆この映画の才能を認めてるらしい。
ネットの評判だけで予告編を見ずに臨んだんだけど。
「人殺しても平気平気。だって私は魔法少女なんだから」という思考が明後日の方向に行ってるブラックな映画を予想してたら。微妙に違いました(全然違うよ)。
そりでわ。ネタバレにならないよう感想を。
やはり低予算映画。
カルロス・ベルムト監督デビュー作だそうで。どんな巨匠でも最初は低予算映画なんだよね。スピルバーグやルーカスだってそうだし。そんなにお金かけられなくともアイディア次第で映画は面白くなるのだ(ニール・ブロムガンプ監督の『第9地区』なんてそうですねー)。
スペイン映画って良質なヒューマンドラマが多いと思ったら。
こんな映画があるなんてびっくりポンや。『永遠のこどもたち』もホラーだったし(この映画の監督さんは新人賞を取ったそうで)。あんましドラマ以外は輸出されてなさそうだね(自分が知らないだけかも)。
主軸がブレブレな映画だった。
白血病で余命いくばくかの娘のために頑張っちゃうお父ちゃん奮闘記なんですが。その主軸がどんどんブレていくんですね。中盤から「ええ?」みたいになっちゃう。変な方向に突き進むから「どうやって着地するんだろう?」と不安になっちゃうんですよ。でも脚本がいいから飽きないし目が離せない。
説明不足なシーンが多い。
クリストファー・ノーラン作品『インターステラー』みたいに専門用語ビシバシで「わかる人にだけわかればいい」という作りではないからマシだけどね(というか種類違うし)。「どうしてそうなった?」「あの部屋には何があるの?」という説明が全くないし会話にも一切出てこないから想像力を駆使するしかない。
こういう映画は2ちゃんでも評判なのか?と思いググったらこんなの見つけちゃいました。総レス273は人気なのかしらん。ちょっと難解だったりするとまとめサイトできますね。
淡々としている。
あーんなことやこーんなことが起こっているのに結構マイペースでストーリーは進みます。静かなシーンが多いせいか後半の衝撃度がパネェ。演出がいいのかも。
まさか!の音楽。
いやぁ、最近の映画は「びっくりポンや」的なのが多いので身構えてたがスペイン映画で長山洋子のデビュー曲が聞けるとは思わなかったよ。どうやら架空のアニメ『魔法少女ユキコ』の主題歌だそうで。何このセンス!よく見つけてきたよなぁ(アニメ主題歌でも全然違和感ないし)。
センスのいいチョイス(音楽編・その2)。
先ほどの「春はSA-RA SA-RA」は冒頭でアリシア(ルシア・ポシャン)がこの曲に合わせながら踊るシーンに流れます。あとラジオで流れるのが「お前は~炎の少女♪」というスパニッシュ満載なパッションパッションした曲で。そしてエンドロールに流れるのが「黒蜥蜴」(正しくは美輪明宏版でなくカヴァー曲なんだが)。何このセンス。
Akihiro Miwa - Song of the Black Lizard
でも編集は微妙。
センスある演出なんだけどね。作りが荒いというわけではないけど「そこらへんのTVドラマのほうが凝った編集できるぞ」みたいな。残念ではないが微妙。そこらへんが不安にさせる。オムニバス形式なんだけどある人物の時系列めちゃくちゃだったりして『呪怨』のように一貫してない。たしかに点が線になるんだけど(というかそれがオムニバスの売り)微妙なんだよなー。それも計算していたとしたら凄いぞ。
やはり魔法少女すね。
劇中には間接的に出てくる『魔法少女ユキコ』。カルロス・ベルムト監督はアニメーターなのでオープニングに流そうとアニメを作ったとか。でもそれをやめてしまったのは映画にそぐわない(日本のアニメじゃないから?)だとか。結果的には成功かもね。DVDの特典映像に付くかなぁ?監督はまどマギの大ファンで「自分が幸せになるためには他人を不幸にしなければならない」という世界観が好きなんだそうです。でもアリシアの部屋にあったポスターはプリキュアぽかったぞ。
とにかく観客をどんどん不安にさせる。
もしかしたら自分だけかもしれないがw。「これ、どうやって収集付けるの?」と思ってたら着地点は良かった。空中二回転半ひねりみたいな感じデシタ。
★
そんな魔法少女より僕と踊りませんか?
ではまた( ´ ▽ ` )ノ