ボビー・フィッシャー役にトビー・マグワイアなんだけど。トビーってこういう繊細な演技うまいねぇ。神経衰弱ギリギリやん。
チェスのルールって将棋の桂馬みたいな動き(斜め前)しかできないし将棋とは違い取った駒は自分のものとして動かせないことは知ってたのだが。あんなに早いのかよ。だからストップウォッチがあるのか。
もはや暗記の世界。凄いなぁ。チャンピオンともなるとこうも違うんだな。
本作の原題「Pawn Sacrifice」は「ヘンリー・キッシンジャーとリチャード・ニクソンにとって、ボビー・フィッシャーはポーンのような手駒の一つに過ぎなかった。レオニード・ブレジネフとKGBにとってのボリス・スパスキーも、同じような存在だった。つまり、2つの大国にとって、チェスプレイヤーは相手に取られてもいいポーンのような存在でしかなかった。」という意味が込められている。
邦題よりも原題のほうがいいなぁ。盤上の第三次世界大戦とも言われてたんだってね。
実話ベースでありながらやはり脚色した部分もあり(ま、当然か)。でも彼の奇行やチェス大会は本当だそうです。彼はチェス界にも貢献していてその代表的なのが「フィッシャークロック」というやつで新しいタイプのチェスクロック(対局時計)を開発して申請したとか。今じゃどのトーナメントでも採用されてますね。
劇中ではフィッシャーは子供の頃から負けず嫌いだが。でも悔しくて泣くのはよくあるよね。スポーツでもなんでも対戦ものは。そこんところはホンモノだったんでしょう。
14歳でチェスのインターナショナル・マスター。翌年にはグランド・マスターとなるのが天才たる所以。あんまりチェスのこと知らないのでどのくらいすごいのかわからんが。そんなに子供の頃から活躍し続けているから神経が破綻するというのは当然かもしれない。
突然試合放棄したり「盗聴されている」という被害妄想に襲われたり。映画でも「彼(ボビー・フィッシャー)は爆発する」と相棒が言うシーンあるが。まさにそれ。あんな極限状態の生活してりゃ壊れるわ。ものすごい集中力。
ラストのチェス王者決定戦でも「カメラが回る音がうるさすぎる」と文句を言うのも精神に破綻をきたしているみたいで本当にイライラする様子がトビー君は上手いなぁ。対してソ連の世界チャンピオン、ボリス・スパスキー(リーヴ・シュレイバー)も「椅子が振動する」とか言うし。もう国を賭けた戦いみたいなものでどちらも極限状態。
演出がすごかった。緊迫感が伝わってくるもん。
★
チェスのルール知ってたらもっと楽しめたかな。
そんなボビーより僕と踊りませんか?
ではまた( ´ ▽ ` )ノ