そんなことより僕と踊りませんか?

例えば良い物語があってそれを伝える相手がいる。それだけで人生は捨てたもんじゃない(by『海の上のピアニスト』)

佳作だけど微妙だった映画『ヒトラー暗殺、13分の誤算』。

これ実話ベースなのね。マイケル・ファスベンダー主演『イミテーション・ゲーム』とあわせて見たい。実話という時点で同じだが。日比谷シャンテの前に現在公開中の作品の映画雑誌の切り抜きがペタペタと貼られており。

 

その中で『ヒトラー暗殺、13分の誤算』のオリバー・ヒルシュビーゲル監督(ドイツ人。やはりジャーマンにとってナチス黒歴史は避けて通れない道なんだな)インタビューあって。同じ実話でも『イミテーション』とは支持が違うと。ヒトラー暗殺はあんまり英雄視されなかったそうで。どちらも政府がしばらく封印してたが。

 

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またヒルシュビーゲル監督は、ヒトラーの支配化にあった当時のドイツの状況を「人間というものは、言われたとおりに動くことを好む人も多くて、ある種のシステムの中に身を置けば、秩序や自分の立ち位置がわかりやすいし、そこに居心地の良さも感じてしまうこともあるのではないだろうか」といい、だからこそ「従属する事を警戒しよう」と警鐘を鳴らす。

「日本人にはしっかり考えて欲しい。というのも日本もドイツと同じように言われたことに、流れに従属してしまう国民性だから。どんどん問いかけをし、何も考えずに受容する事をやめましょう。やめていこうよ! という事を感じて欲しい」

ふーむ。流れに従属してしまう国民性かぁ・・。確かになぁ。

 

それはそれとして。肝心の映画なんですが。確かに骨太。確かに佳作。素晴らしいです。感動です。一見の価値はあります。

 

が、なんかこうちょっとモヤモヤする部分が。暗殺未遂事件は実話ということなんで間違いはないのですが犯人のゲオルグ・エルザーの動機が「脚色したのではないか?」ということ。映画でもエルザーは犯行後すぐに捕まってしまうのですが彼の生い立ちや家族構成なぞはすぐに調べがつくけど映画の中の動機だけで一生を台無しにするほどの大仕事をするのは少し弱いのではないのかと。

 

だって捕まったら彼だけでなく家族にも迷惑かかるのですよ。それだけのリスク犯すほどの動機が劇中では見られなかった気がするんです。映画の中でも犯行を認めたけど動機までは語らなかったし。動機は墓場まで持っていったような気もするし。

 

エルザーの半生から想像するしかなかったのでは?それでも良い作品なのですがね。『デッドマン・ウォーキング』みたいに長々とカメラを回しているシーンもあったけど(あれはちょっとキツイと思う)満足度高し。自分は微妙だったけどね。

 

 

そんなエルザーより僕と踊りませんか?

ではまた( ´ ▽ ` )ノ